災害発生時のICT化編
地震による津波で自治体の庁舎が破壊され、行政機能そのものを失ったケースもある東日本大震災。そこで問われたのが、住民基本台帳など住民情報の管理のあり方である。本紙では、災害発生時における情報通信技術(ICT)のバックアップ体制と、業務継続計画(BCP)の実態について、東京都62区市町村にアンケート調査を実施した。
今回から3回にわたり、その集計結果を紹介する。
なお、統計結果の分析については、本紙10面をお読みください。
ICT化の流れは必然
業務全体の横断的ICT化を目指せ
津波で役場が壊滅状態となった岩手県陸前高田市と大槌町、宮城県南三陸町と女川町の4市町で、津波により流されてしまった住民基本台帳等のデータが、バックアップデータとして残っていたことが確認されたというニュースがあった。紙媒体のみであれば、すべてが失われてしまったものが、住基ネットのバックアップデータのおかげでかろうじて助かったわけで、この4自治体の例を見るまでもなく時代は確実にICT化に向かっているといえる。
【質問1】
まず大前提となるIT化の進捗についてうかがいます。
a. 概ねIT化されている・・・89%
b. 計画中のものを含めて70%程度・・・7%
c. 50%程度・・・2%
d. それ以下・・・2%
【質問2】
バックアップ体制についてうかがいます。役所としてバックアップのオフィス、または体制が整備されていますか?
バックアップされている業務内容のチェック項目
住民登録/印鑑証明/国民年金/個人・法人市民税/固定資産税/収・滞納/国民健康保険/児童福祉/障害者福祉/軽自動車税/住民基本台帳ネットワーク/介護保険/生活保護
a. Yes・・・77%
b. No・・・23%
【質問3】
バックアップはデータ化されていますか? それとも書類ですか?
a. 100%データ化・・・67%
b. ~80%データ化・・・29%
c. ~50%データ化・・・2%
d. データ化は50%以下・・・2%
e. 書類が主体・・・0%
【質問4】
【質問2】でNoと回答の方にICTのバックアップについてうかがいます。
a. バックアップについて計画していない・・・64%
b. 計画はあるが、実施していない・・・0%
c. 今後検討を進めるべく準備中・・・36%
【質問5】
【質問2】でYesと回答の方にうかがいます。ICTのバックアップの場所は何処でしょうか?
a. 役所内・・・42%
b. 役所外の場所・・・58%
c. クラウド・・・0%
【質問6】
クラウド化についてお尋ねします。
a. クラウドについて興味あり・・・87%
b. クラウドの導入を前提に検討中・・・3%
c. クラウドを既に導入・・・10%
【質問7】
バックアップは常時リアルタイムで、同時併行的に記録されていますか?
a. Yes・・・20%
b. No・・・80%
【質問8】
バックアップについての今後のご計画をお聞かせください。
a. 既に十分の体制が取られており、特段の計画はない・・・29%
b. さらに充実させるべく計画中・・・41%
c. 今後充実させるべく計画中・・・15%
d. 計画はされていない・・・15%
【質問9】
防災対策として、地理情報システムを導入していますか。
a. 既に導入済み・・・39%
b. 今後充実させるべく計画中・・・17%
c. 導入していない(導入計画あり)・・・7%
d. 導入していない(導入計画なし)・・・37%
アンケートにご協力くださった自治体(順不同)
千代田区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、八王子市、立川市、三鷹市、青梅市、昭島市、調布市、小金井市、日野市、東村山市、国立市、福生市、東大和市、清瀬市、東久留米市、武蔵村山市、多摩市、稲城市、羽村市、西東京市、大島町、御蔵島村、青ヶ島村