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暮らし・文化
2012年1月20日号

らくがきスポーツカフェ(18)

東京オリンピック招致と欧州経済危機の関係

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 国立競技場の聖火台に、炎が赤々と燃え上がっていた。元旦のサッカー天皇杯決勝戦―。

 今年はオリピックイヤー、7月にロンドンオリンピックは開幕する。年初めの新聞やテレビには、金メダル候補の種目や選手を紹介する記事や番組が目立った。

 聖火を見ていたら、スポーツ放送権ビジネスに関わる人たちのことが頭に浮かんだ。彼らの中では、もうロンドンオリンピックは終わっている。ビジネスの対象は、2016年のブラジルと、その次のオリンピックだからだ。

 知人の放送関係者は「円高の日本も苦しいが、ユーロ圏はどうなるのか。欧州の経済危機は東京オリンピック招致に有利なのか? 不利なのか?」と言う。

 2020年のオリンピック開催に手を挙げているのは、東京、マドリード、ローマ、イスタンブール、ドーハ(カタール)、バクー(アルゼバイジャン)の6都市だ。

 案の定、年始早々に記事が出た。欧州は国債の大量償還をこなせるかどうかの危機にある。マドリードとローマの2都市は、招致費用および招致が成功した場合のオリンピック予算を大幅に削減するという内容だった。そして、オリンピック開催が、経済危機脱出の大きな手段であると訴えていた。

 東京の場合は、日本経済の先行き次第ではないかと感じている。私は宵越しの金は持たないという浪費家だが、国の借金が対岸の火事ではないことは理解している。災害復興への手立てや、消費税増税はどんな影響をもたらすのか。

 来月15日までに6候補都市はIOC国際オリンピック委員会へ開催計画の概要の申請ファイルを提出する。日本の申請ファイルは、サッカーの一部は東日本大震災の被災地、宮城県で実施。東京のほか札幌市、さいたま市、横浜市でも開催、メイン競技場は改修を検討中の国立競技場とするなどの内容といわれる。

 ロンドンオリンピックが終わる8月12日から、2020年の開催地が決まる2013年9月まで1年しかない。

 東京に再びオリンピックの聖火を灯し、「震災などに屈しない『たくましい日本』のスポーツ界」を内外にアピールするのだ。そんな思いを心に抱きながら聖火を見つめていた。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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