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暮らし・文化
2010年10月20日号

らくがきスポーツカフェ(3)

テレビゲームがスポーツの時代がやって来た

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 「プロゲーマー、テレビゲーム選手」が若者の人気職業になるかもしれない。日本ではあまり知られていないが「エレクトロニック・スポーツ」(electronic sports)は略して「eスポーツ」といい、テレビゲームをスポーツ競技として技を競うのだ。

 この秋、第一回「eスポーツ学生選手権」が行われた。関東地区の大学17校、関西地区2校、北海道1校が参加し、100人ほどが集った。大会代表、専修大4年生の岡本脩太郎君は「eスポーツは、テレビゲームではなくデジタルゲームです。僕たちはその研究と普及を進めるIT技術を学ぶ学生です」と大真面目だ。

 競技種目は「サドンアタック」という世界共通ルールで行われている人気のシューティング・ゲーム。1校1チーム3人で対戦し、標的を多く撃ち落とせば勝ちだ。「チームワークと作戦の攻防は、チェスや囲碁などと似ています」と選手たち。対戦が大画面に映し出され、得点に場内が沸く。テレビゲームには疎いが、面白く見入る。ただ歳のせいか、早い標的に視力が追いつかないが……。

 世界では若者のスポーツとして人気があり、賞金大会で稼ぐプロゲーマーも存在するeスポーツ。今年もロザンゼルスで世界大会WCG(ワールド・サイバー・ゲームズ)が開催された。日本代表は「鉄拳」6部門で銀メダルと銅メダルを獲得したが、国内での認知度は低い。

 東京大学大学院の馬場章教授は、eスポーツを未来型新スポーツとして研究している「日本eスポーツ学会」の会長だ。「身体影響の研究、新ゲーム開発、プレイヤーの育成とセカンドライフ、またマネージメントも課題です」と、eスポーツのこれからを語る。

 ただ「ゲーム脳」や「ゲーム依存症」などマイナスなイメージを払拭しないと、eスポーツはおいそれと日本で広がらないだろう。研究発表やゲーム開発でeスポーツ=スポーツというイメージをきちんと社会に啓蒙しなければ、eスポーツ学生選手権も、大会の活発化は望めないのではないだろうか。

●eスポーツ学生連盟 http://senshu-e-sports.com/

●日本eスポーツ学会 http://www.j-ess.jp/index.html

●ワールド・サイバー・ゲームズ http://jp.wcg.com/2010/

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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