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暮らし・文化
2012年2月20日号

らくがきスポーツカフェ(19)

男の顔は履歴書とは言うものの……

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 毎年この時期は、取材パスの更新のために顔写真が要る。今使用しているものは、写真屋さんの「若く写しますよ」との甘言につられて5年前に撮ったもので、焼き増ししては使っていたが、どうも具合が悪くなった。元々イケメンという言葉には縁がなく、歳とともに“くたびれ”速度も速い。この写真のパスでは、ゲートで止められてしまうかもしれない。

 スポーツ大会では、主催者からビールの売り子まで含めると、観客を迎える関係者数は半端ではない。その関係者をスムースにそれぞれの持ち場に配置し、確かなセキュリティで大会運営を円滑に行う手段の一つがパス・コントロールだ。パスはAD(accreditation)カードと呼ばれる。

 私が持つのは報道用(プレス)ADだ。縦13㎝、横9㎝のカードには大会名、日付、資格、数字などが書かれていて、時には顔写真も付けられる。数字は競技場のエリアを示す。私のADでは記者席、記者控室、それに監督会見や選手にインタビューできるエリアには行けるが、その他へは一切立ち入れない。移動ルートも決められており、競技場では要所要所でセキュリティ・チェックを受ける。

 これまでで一番の優れものは、オリンピックのAD。バーコードが付いていて、セキュリティ・チェックで違反が判るとADは即「Kill」―失効となる。

 昨年行われたFIFAクラブワールドカップのADの写真はFIFAが撮った。その写真の顔に愕然として、5年前の写真では「Kill」だと実感したのだ。

 今更、「男の顔は履歴書」などとうそぶいても、シミや皺は隠しようも無いのが現実だ。しかし、写真を撮る際FIFAに“ニッコリ”と、と言われたことを思い出した。海外からの取材者の多くは、七三に構え笑顔の写真を撮る。日本の顔写真は正面向きが決まりのようだが、今年は無愛想面をやめて撮るのだ。

 毎朝、洗顔後、乾燥防止の保湿クリームを塗り、シミの目立つ左顔面を隠す七三に構え、イケメン笑顔を作る私を、妻が手遅れだと苦笑している。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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