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暮らし・文化
2011年12月20日号

らくがきスポーツカフェ(17)

女子サッカー人気は単なるブームなのか?

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 女子サッカーの試合に、万単位の観客が集まるのは、ちょっと難しいのでは?と危惧していた。キックオフは平日の夜、しかも天気予報は雨だ。事実、INAC(アイナック)神戸レオネッサの星川敬監督は試合の後、記者会見で開口一番「観客が入るかどうか心配だった」と語った。5万人が入る国立競技場のスタンドに数千人では寂しすぎる。

 しかしその日、メインスタンドもバックスタンドも、私の予想をはるかに超えるサポーターが席を埋めていた。

 試合は東日本大震災復興支援トヨタ・ヴィッツカップで、アイナック対アーセナル・レディースFC(以下アーセナル)。日本女子サッカー初となる海外クラブチームとの対戦だ。アーセナルは1987年創設。イングランドのリーグで何度も優勝している強豪で、今年もイングランド・FA女子スーパーリーグで優勝し、女子ワールドカップドイツ大会で、なでしこジャパンが唯一負けたイングランド代表のメンバーも在籍する。

 アーセナルの平均身長は169・3㎝、一方アイナックは162㎝と、その差は歴然。だが、ボールポゼッション(ボールを支配している時間)は、日本が断然長い。両チームの選手は実によく走る。体を張ってボールに食らいつく激しいボディコンタクトも多く、日本選手は跳ね飛ばされることしばしばだが、めげることはない。

 スポーツ観戦で観客が一番嫌がるのは、試合を早々に諦めるプレーを選手が見せることだが、この試合は違った。最初から最後までパワー攻撃を仕掛けるアイナックと、必死で止めるアーセナル。そのアーセナルもすきを突いて反撃に走る。観客は正直だ。好プレーが続けば声援は大きくなる。

 アイナックのシュートは16本、アーセナル6本。アイナックは後半25分に先制したが、後半33分には1点を返され結果はドロー。だが見応えのある試合だった。試合終、観客1万1005人が大拍手を贈ったのは言うまでもない。

 女子サッカーの人気は長続きしないと危ぶむ声もあると聞く。だが、真摯なプレーを続ければサポーターは観戦に来る。女子クラブワールドカップも開催される日が来ると信じさせる試合であった。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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