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暮らし・文化
2011年1月20日号

らくがきスポーツカフェ(6)

競技かるたは絶対にスポーツだ!

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 元旦の天皇杯サッカー決勝戦の観客は4万1348人だ。そのほか、高校サッカー、春高バレー、大学ラグビーも多くの観客が観戦した。

 新春、私が観戦ならぬ“注目”したのは「競技かるた」。百人一首の札を早く取り合う競技だ。注目と言ったのは、競技場には観客席がなく、その上“静粛”にすることが条件で、許可を得ないと観られないからだ。

 観戦許可が得られたのは、1月9日の「新春全国競技かるた大会」。会場の文京スポーツセンターには600人余の選手が集まり、初心者(Eクラス)から有段者(A・B・Cクラス)までの5階級で競技が行われた。

 競技は一対一の対戦で、持ち札は一人25枚。合わせて50枚を並べ、札を取り合う。自分の札が全部無くなれば勝ちだ。読人が読むのは100首。札の無い歌も読まれ、競技者のミスを誘う。年齢・性別は問わず、ハンデなしで戦う実力戦である。

 張りつめた雰囲気のなか、読人は朗々と歌を読む。と、札が飛ぶ。札は先に手を付ければとれる。19歳の女性に小差で負けたEクラスの75歳男性は「札はとりやすく、且つ、相手にはとられ難く並べる。相手の札の位置を覚え、読まれた歌は忘れる。“あ”で始まる歌は16首、頭でわかっても手が出ない時もあります。奥の深い競技ですよ」と1時間半集中し続けた競技の後、紅潮した顔で語った。

 「札が少なくなると名人でもミスをすることがある。自分との戦いです。正眼の構えで相手と対峙、そこから勝負にでる剣道に似て、強い精神力が無いと負ける」と松川英夫十段永世名人は言う。

 トーナメントを勝ち抜けば、競技は朝から夕方まで続く。頭脳と反射神経、それに体力勝負でもある。我がスポーツ見物協会の中には、競技かるたはスポーツでないという意見もあるが、競技かるたはスポーツです。見ればわかる。

●社団法人全日本かるた協会 www.karuta.or.jp/

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

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