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暮らし・文化
2012年5月20日号

らくがきスポーツカフェ(22)

スポーツするなら健康診断を受けるべし

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 ノルウェーの水泳選手アレクサンドル・ダーレオーエン選手が亡くなった。彼はロンドンオリンピックでは、北島康介選手の一番のライバルと目されていた。心不全だと伝えるニュースを聞いて何とも悲しかった。だが去年、サッカーの松田直樹選手が34歳で亡くなったときは、もっともっと悲しかった。彼のプレーをピッチで見ていたからだ。

 5年前のことだ。当時ジョギング歴20年、走る心地よさを感じていた。時速10㎞以上で10~25㎞を週2・3回走ってから、軽い筋トレを続けていた体は密かに自慢だった。取材で知った大学の先生に、歳より若い実力を見せようと軽い気持ちで体力検査を受けた。

 体は柔らかく、腹筋や背筋などは順調だったが、トレッドミル(ランニングマシン)検査の心電図を見て先生の顔が曇った。トレッドミル検査とは、心臓に強めの負荷をかけて運動中の心臓の状態などを調べるもので、私の心電図には異常が記録されていたのだ。驚きだった。ただ息が上がっただけで、何の異変も感じていなかった。

 だが心臓検査の結果は驚くことに「心筋梗塞」で、「側副血行路」という新血管ができていたのだ。

 知らないままに走っていたら……、と考えるとゾッとした。

 心臓に負荷が目一杯かかるジョギングは、ウォーキングに変えた。アイスホッケーのシューズで、スケートリンクを走り回る楽しみも止めだ。ゴルフと草野球は、センスが無いので早くから諦めていたからよいが、スポーツは専ら観戦となった。

 時速6~7㎞で42.195㎞を3時間から4時間で走れる持久力を持ちたかったが夢に終わった。ジョギングをしていた頃、時速6.5㎞で走り続けると30㎞を超えた辺りから、ガソリン切れと同じで足が前に出なくなった。30㎞過ぎの壁を破るのが目標だった。

 壁にぶち当たり全身汗まみれになってふらふら歩く、あのハイな快感はもう体験できない。

 スポーツをするなら「健康診断を受けなさい」と多くの仲間にすすめている。心臓負荷検査ができる病院も多い。具合が悪くなって病院へ行く時代ではない。若いうちから自分の体を知る時代だと思う。

 スポーツのプレー中の突然死などは何としても無くなってほしい。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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