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暮らし・文化
2012年7月20日号

らくがきスポーツカフェ(24)

五輪で見せてほしい最高のパフォーマンスを

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 私はネットを挟んでプレーをするスポーツを好まないが、唯一好きなのがテニスだ。好きな選手は引退したがジュスティーヌ・エナン選手。ウインブルドンでは優勝していない。

 選手権が終わると閉じられるウインブルドンのセンターコートだが、今年はオリンピックの会場として使われる。そのセンターコートの入り口に「If」という詩の一節が掲げられていると知ったのは、10年以上前のテレビのドキュメンタリー番組だった。

 If you can meet with Triumph and Disaster And treat those two impostors just the same;

 実は外国語はからっきしダメで、この2行の詩さえも記憶できるわけはなく……。そのときわかったのは、作者は「ジャングルブック」などを書き、ノーベル文学賞を受賞した作家で詩人のルディヤード・キップリングだということだけだった。

 英語が堪能な知人に話をすると「If」の全文を入手しコピーをくれた。フェデラーとナダルがテレビで朗読して、日本のテニス界でも知られるようになったが、イギリスでは有名な詩だった。「もし栄光と惨劇、その2つの虚像を同様に扱えるのなら」つまり「ウインブルドンのセンターコートだから、負けても最善を尽くしたなら結果を受け入れなさい」という意味らしいと教えてくれた。

 テニス選手やコーチは、勝つためウインブルドンに行き戦うが、自分が負ければ相手が強かったと認め、握手をして心から相手を褒め称える。それがフェアプレー精神だと番組では語っていた。

 もうすぐロンドンには、世界中から予選を勝ち抜いた選手が集まる。だが団体競技を除き、金メダルは1つの種目に1個だ。出場するも大会予選で敗退し、夢だったオリンピック会場を去る選手は多い。しかし、そんな選手たちも、自身の持てる力を最大限に発揮して、世界最強の選手たちと勝負できたことに満足しているに違いない。

 そして、多くの選手が再起し4年後を目指す。

 ロンドン・オリンピックへの日本選手団の派遣人数が293人と決まった。取らぬ狸のなんとやらで、金メダルの数は16~18個と予想している。

 とはいうもののオリンピックは結果ではない。日本人選手の最高のパフォーマンスを見られれば、私は満足だ。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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