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暮らし・文化
2012年8月20日号

らくがきスポーツカフェ(25)

オリンピック中継はやっぱり生で見たい

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 ロンドンオリンピックは今までと違ったテレビ観戦となった。

 ロンドンと東京は8時間の時差があるため、見たい競技の多くは午前1時から午前3時に始まる。いつもなら生中継を観戦するが、映像関係の仕事を引き受けたため、朝5時に起きて仕事場に向かわなくてはならない。夜更かしができないのだ。

 午後9時に寝て午前2時に起き、オリンピック生中継を見て、そのまま始発で仕事に向かっていたが、体のリズムが狂って仕事にならない。午後11時頃まで生中継を見て、未明の競技は録画を見ることにした。

 できれば結果を知らないで録画を見たい。

 スポーツニュースを担当していた時に、友人から「頼むから試合の結果を初めに伝えないでくれ」と言われたが、その気持ちが良くわかった。結果は知らないで録画を「生」として見たい。でないと、生意気なようだが観戦眼が狂う。

 インターネットは便利だが、困った一面ももつ。オリンピック競技の速報が出てしまうのだ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を使っているので、「宮間選手は凄いね」とご親切な書き込みが携帯電話に届く。日本が勝てば、職場でも「勝った~」と大騒ぎする。

 録画を見る気力は半減した。

 一方でインターネットの便利な点も実感した。それは地上波やBSで放送しない競技が見られるネット生中継だ。NHKの8つのチャンネルで競技が見られた。映像はきれいで、自転車ロードレース、テニス、ホッケー、ヨットなどはホント面白かった。「勝った~!」と大騒ぎするアナウンサーや解説がなく、実況音だけの画面を見つめながら、「巧い!」「強い!」と独り言を言いながら見ていた。勝った選手の表情にも心が動かされた。特に予選や下位の順位戦が多く見られて、私は大いに楽しんだ。

 狂った体のリズムの回復時間が長くなり、耐えに耐え信念のメダルを獲得したアスリートにウルッとするなど、今回ロンドンオリンピックをテレビ観戦して、私は歳を感じた。

 次回は2016年、リオデジャネイロは時差が12時間だ。夜昼が逆転する。テレビ中継をどんな新しい接続方法で見られるのか。私も身体を鍛え直して4年後に備えよう。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

 

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