HOME » NEWS TOKYO バックナンバー » 第6回 マヨネーズは町の名前だった?!
生活・文化
2012年9月20日号

山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 フランス料理には地域の名称や人物名などが、そのまま付けられるものがとても多いとか。一般的に知られているもの、あるいはまだまだ知られていないフランス料理についての由来・歴史などを、ARGO総料理長の山下シェフが紹介します。

 

第6回 マヨネーズは町の名前だった?!

 今回は日本で最も有名なフランス料理のドレッシング、マヨネーズの歴史についてお話します。

 18世紀後半、イギリス対フランス(フランス、ロシア、オーストリア同盟)が植民地をめぐり、戦争を繰り広げていました(七年戦争)。マオンは、西地中海にあるバレアレス諸島の中のメノルカ島にある町。イギリス海軍の拠点でしたが、1756年、ルイ15世時代の元師であったリシュリュー公爵率いるフランス軍に撃破されてしまいました。

マヨネーズは町の名前だった?!

マヨネーズに使われる油は、当初オリーブオイルが主流だったという

 リシュリュー公爵は、この町の料理屋で食事をした際、見慣れないソースに出会います。そして、このとても美味しいソースが大変気に入り、パリに持ち帰りました。それがマオン(Mahon)のソース、マオネーズ(Mahonnaise)。後に、マヨネーズ(Mayonnaise)と呼ばれるようになりました。ほかにも色々な説がありますが、現在、この説が最も有力とされています。ちなみに日本では1925(大正14)年にキユーピー(株)が国産初のマヨネーズを製造・販売しました。

 世界中のソースの中で肉、魚、野菜など、どんな食材に使っても美味しいソースは、このマヨネーズと日本の醤油ぐらいだと私は思います。

 また、マヨネーズは美味しいだけでなく、保存性が高いソースです。主原料である食酢や食塩により微生物の生育が抑制されるため、市販のマヨネーズに食中毒の原因となる菌を実験的に添加しても1日以内に死滅してしまうほどです。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

タグ:マヨネーズ、マオン、仏蘭西料理

東京都自治体リンク
LIXIL
プロバンス
光学技術で世界に貢献するKIMMON BRAND
ビデオセキュリティ
レストラン アルゴ
株式会社キズナジャパン
ナカ工業株式会社
東京スカイツリー
東日本環境アクセス
株式会社野村不動産 PROUD
三井不動産 三井のすまい
株式会社 E.I.エンジニアリング
株式会社イーアクティブグループ
株式会社ウィザード・アール・ディ・アイ
 
都政新聞株式会社
編集室
東京都新宿区早稲田鶴巻町308-3-101
TEL 03-5155-9215
FAX 03-5155-9217