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特集
2012年9月20日号

 

環状2号線新橋・虎ノ門地区再開発事業

 

立体道路制度を活用し
再開発事業により環2整備を促進

 環状2号線は、昭和21年、戦災復興の一環として都市計画決定を行った都心部の重要な環状道路であり、新橋・神田佐久間町間を結ぶ路線である。このうち、虎ノ門・神田佐久間町間は「外堀通り」として既に供用されているが、残る新橋・虎ノ門間については、多くの住民が現地残留を希望していたことなどから、長年にわたり事業化に至らなかった。

 しかし、平成元年に立体道路制度が創設され、道路上に施設建築物の整備が可能となり、この制度を活用した再開発事業による整備計画案を地元に提案したところ、事業への合意形成が急速に進み、立体道路制度を活用した都施行再開発事業として、平成14年に事業計画として決定した。

 再開発事業の施行面積は約8㌶で、幅員40㍍、延長1・35㌔㍍の環状第2号線を整備するとともに、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ街区の3棟の再開発ビルを建設する計画となっている。

再開発事業の完成イメージ
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 現在、用地取得率は98%に達しており、再開発ビルについては、Ⅱ街区が平成19年、Ⅰ街区が23年に完成し、既に権利者が入居している。

 環状2号線は、外堀通りからⅢ街区までは平面構造とし、立体道路制度を活用するⅢ街区から本線は地下に潜る。その後、汐留地区を経て築地付近で再び地上に出て、隅田川を橋梁で渡って湾岸道路に至る計画となっている。

 また、本線が地下化されることにより創出される、愛宕通りから第一京浜までの間の地上部道路は、緑豊かで魅力ある道路として整備していく予定である。

 本線の地下トンネル工事については東京都建設局の街路事業として進めており、地上部道路は都市整備局の再開発事業として本年度より本格着工し、平成25年度末の完成を予定している。

 

都市再生の拠点となるIII街区再開発ビル

 Ⅲ街区は3棟の再開発ビルのうち、敷地面積が約1・7㌶と最大な街区である。本街区は、立体道路制度を活用して地下部に環状2号線を通すことから、再開発ビルの地下1階に環状2号線のボックスカルバートを抱え込む形状となり、再開発ビルが環状2号線の荷重を支持する道路一体建物となっていることが最大の特徴である。

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 また、本街区では、地域のシンボルとなる地上52階、地下5階、述べ床面積約24万4300㎡の超高層の再開発ビルを整備する。

 この再開発ビルは、事務所を中心に店舗、住宅、ホテル・カンファレンスなども配置した複合用途とすることで、国際交流や観光都市の推進に貢献することを目指している。また、街区内には約6千平方㍍に及ぶ緑豊かな広場を整備する計画である。

 本地区を含む都心・臨海地域においては、昨年12月にアジアヘッドクオーター特区に、本年1月に特定都市再生緊急整備地域に指定されており、国際競争力強化に資する拠点として、緊急かつ重点的に整備を進める必要性がいっそう高まっている。

 Ⅲ街区の建築については、平成21年9月に特定建築者を森ビル(株)に決定しており、平成23年4月に建築工事に着手し、平成26年度の完成を目指している。

 

東京を代表する道路景観を創出

Ⅲ街区の工事の状況(H24.8撮影)
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 環状2号線の愛宕通りから第一京浜までの新橋・虎ノ門間については、広域交通を担う地下本線と、地域内交通を担う地上部道路の二層構造となっている。このため、地上部道路はゆとりある広い歩道空間を確保できる。

 そこで、この広幅員歩道を生かし、東京を代表する道路景観を創出しようと、都市整備局は、学識経験者、地元地権者、港区、東京都で構成する「環状第2号線(新橋~虎ノ門)地上部道路景観検討委員会」(委員長=篠原修東京大学名誉教授)を昨年9月に設置した。委員会は、本年2月に道路デザインをまとめ、今後、この検討結果を踏まえて平成25年度末の完成を目指し、地上部道路の整備を進めていく予定である。

 景観コンセプトは「先進性と界隈性を兼ね備えた人にやさしい道」「緑豊かな緑量を確保する街路樹」を骨格とし、ゾーンごとに特色を持った道路景観を創出するとしている。

 例えば、国際交流拠点となるⅢ街区につながる地上部道路は、日本の四季を演出するため、ゾーンごとに街路樹の樹種を変え、四季折々の花などが楽しめるように工夫している。

 歩道は、レンガ舗装とする。都会的で温かみのある界隈性の演出ができるとともに、保水性が適度にあり、ヒートアイランド対策にも有効であることが理由である。交差点部などには、レンガ舗装を基本としつつ、部分的に自然石舗装も採用する。

 新橋・虎ノ門の地域には、江戸時代に武家屋敷が多く存在していたため、屋敷の基礎などに使われていた間知石が発掘されている。この歴史的遺構を活用するため、大型中央分離帯の歩車道境界の部材などに間知石を利用する。車道照明、歩道照明なども、都市的で洗練されたデザイン性の高いものを導入する。

 今後は、このような質の高い道路景観と快適な道路空間を将来にわたり維持し、大事にされる道路に育て、地域の活性化にも資するよう、沿道の人たちや地元港区、東京都の間で話し合い、道路の管理協定をできる限り早期に締結していく予定である。

 

周辺まちづくりと大街区化の促進

 本地区の周辺では、環状2号線の整備を契機として、既にまちづくりの動きが活発化している。これに併せ、地元港区では、まちの将来像や街区再編などの方向性を示す「環状2号線周辺地区まちづくりガイドライン」を本年3月に策定した。

景観検討委員会の検討結果(概要)
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 一方、昨年3月の東日本大震災の折り、都心部で大量に発生した帰宅困難者が大街区化された再開発ビルなどに一時避難した事例もあり、高度な防災都市づくりに向け、再開発による大街区化の有効性が改めて浮き彫りになっている。

 このため、都は、東京の都市再生の促進に向け、本事業の早期完成に一層全力で取り組むとともに、地元の意向も踏まえながら大街区化を促していくなど、東京を代表する幹線道路の沿道にふさわしいまち並みの実現に向け、区や地元の取り組みを支援していく。

 

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