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Work & Business
2013年3月20日号

仕事に命をかけて Vol.57

陸上自衛隊 自衛隊体育学校 
特別体育課程学生 3等陸尉
清水 聡

陸上自衛隊 自衛隊体育学校 特別体育課程学生 3等陸佐 清水聡

 文字通り、仕事に自分の命を賭けることもある人たちがいる。一般の人にはなかなか知られる ことのない彼らの仕事内容や日々の研鑽・努力にスポットを当て、仕事への情熱を探るシリーズ。

 2012年9月号に続き、今号でも自衛隊体育学校のロンドンオリンピック・メダリストが登場。44年ぶりに日本人男子ボクシング界にメダルをもたらした功績を胸に、彼は今、メダリストとして日本中を巡り、ボクシングを通じて多くの人に元気を与えることを責務としている。

(取材/種藤 潤)

日本を元気にするためならどこへでも駆けつける

 2013年2月某日。都内のとある小学校の体育館にて、清水聡3尉は大勢の子どもたちを前に、ボクシングのデモンストレーションを行っていた。そしてエクササイズ、ゲーム形式のトレーニングなどを実施。本物のメダリストを前に、子どもたちは目を輝かせ、夢中になって身体を動かしていた。

都内小学校のボクシングイベントに参加する清水3等陸尉

都内小学校の体育館でボクシングイベントに参加する清水3尉。メダルを持ち子どもたちに囲まれる

 「メダリストとしてこうしてボクシングを普及できることが、本当に嬉しいです」

 今から約半年前の2012年7月。ロンドンオリンピック・ボクシングバンタム級において、不可解な判定を乗り越え、銅メダルを獲得したボクサーを覚えているだろうか。自衛隊体育学校所属・清水3尉。彼はオリンピックでメダルを獲得後、全国の小中学校を中心に、ボクシングイ ベントを精力的に行っているという。

 「メダルを持って行くと、みんな本当に喜んでくれます。日本を元気にできるのであれば、私はどんなところへも駆けつけます」

 東北の被災地へも積極的に訪問。被災地復興の一環としても役に立ちたいと、3尉は語気を強める。

 

非体育会系スタイルで頭角を現す

子どもたちの前で語る清水3等陸尉

子どもたちの前で語る清水3等陸尉

 メダリストになるまでの経歴を振り返ると、まさにアマチュアボクシングの花形。ただ、その実は我々が想像しているようなボクシングエリート像とは、若干異なるようだ。

 中学3年でボクシングをはじめるが、それまではピアノ・卓球をする、“戦い”とは無縁の少年だった。

 「ピアノはリズム感を養い、卓球はフットワークを鍛えられました。この二つがなければ今の自分はありません」

 高校はボクシング強豪校の関西高校に進学。ボクシング部に入部するも、1年もせず退部してしまう。

 「強豪校ということもあり、先輩は怖いし坊主にしなきゃならないし……そういう体育会系の空気がとにかく苦手で(苦笑)。でもボクシング自体は大好きで、やりたくてしょうがなかった。そんな思いを抱いていたら、ほかの同期部員も全員やめてしまったらしく顧問から誘いを受け、復帰することを決めました」

 2年生の9月に部に復帰し、3年時に全国大会で優勝。非体育会系の独自の“清水スタイル”で、頭角を現しはじめた。

 

自分のボクシングをする上で自衛隊は最高の環境

清水3等陸尉がボクシングのデモンストレーションを行う様子

清水3等陸尉がボクシングのデモンストレーションを行う様子

 駒澤大学に進学後、1年時に国体で優勝し、ナショナルチームへ。日本を代表するアマチュアボクサーとして、国内、世界大会と着実に結果を残し始める。2008年には念願のオリンピック出場。メダルには届かなかったが、手応えは着実につかんでいった。

 そして社会人に進む際、さまざまな選択肢があるなかで、自衛隊体育学校を選ぶ。

 「ボクシングの練習に集中できる環境がここにはあり、もう一度オリンピック、そしてメダル獲得を目指すには最高の場所だと思って選びました」

 自衛隊体育学校には、清水3尉が苦手とする体育会的な押しつけの空気はなく、むしろ彼をはじめとするトップ選手の理想の練習環境を整えることを第一としている。

 「本当に強い選手は、自分で考え、練習し、強くなります。押しつけでは強くなれない。最近の体罰問題を見ていると、体罰の是非以前に、強くなるための指導法として、私はあり得ないと思います」

 そして自衛隊体育学校で磨かれた独自のボクシングは、見事ロンドンでメダル獲得という形で結実した。

 「メダルが決まった瞬間、正直実感は湧かなくて(苦笑)……。でも両親をはじめ、本当にたくさんの人が喜んでくれた。オリンピックでメダルを取ることがこれほど大きい意味を持つとは思いませんでした」

 それを実体験する一人として、日本を元気にするためにも、東京でのオリンピック開催実現にも貢献したいと言う。

 「日本のために働くのが、自衛隊の仕事。オリンピック開催もそのひとつであり、メダリストとして精一杯貢献したいと思います」

 

<プロフィール>

1986年3月、岡山県生まれ。中学3年時にボクシングをはじめる。その後関西高校、駒澤大学経営学部経営学科に進学。国体、全日本選手権など数々のタイトルを獲得。2008年北京オリンピックフェザー級日本代表。2009年自衛隊体育学校入隊。2012年ロンドンオリンピックバンタム級で、日本男子ボクシング史上44年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した。

 

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