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第16回 スパイス・ハーブの合わせ方2013年07月20日号

 
山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 

スパイス・ハーブの合わせ方

 今回は、スパイスについてお話しします。

フランス人は、ヨーロッパで生育する温暖地植物をスパイスと考え、東南アジア、熱帯地方の植物から採れるものをアロマートと称する

フランス人は、ヨーロッパで生育する温暖地植物をスパイスと考え、東南アジア、熱帯地方の植物から採れるものをアロマートと称する

 フランス料理でもたくさん使われている“スパイス”は本来“品質”と言う意味ですが、今日では、香を発する乾燥物を代表した言葉になっています。とりわけ日本では香辛料と訳されており、植物性の香味料、あるいは調味料、薬味などを含んだ意味に使われることが多いようです。皆さんがよく使用されている大葉、わさび、山椒もスパイスと呼んでもいいのかもしれません。

 最近、スーパーなどでもスパイスやハーブが充実していますが、使い方がわからないものもあるのではないでしょうか?

 いくつか例を挙げて、どのような食材と合わせれば良いのか説明します。

【ナツメグ(仏)Muscade ミュスカド】羊肉の料理のスパイスとしてよく使われます。ジャガイモ、チーズ、ホウレン草と相性抜群です。ヨーロッパではソーセージ加工でも大切なスパイスです。

【タラゴン(仏)Estragon エストラゴン】フランス料理では、若鶏、卵、舌平目などと相性が良いと言われ、若鶏のグリエのソースとしてかけるととても美味。

【ディール(仏)Aneth Odorantアネット オドラン】生魚と相性が良いと言われ、フランスではサーモンマリネを作るときに使用します。また、ピクルスを作るときにも使います。クセが強いので合う食材が限られます。

【タイム(仏)Thym タン】フランス料理に使用するスパイス、ハーブの中で最も重要と言えるかもしれません。野菜のスープに使ったり、クールブイヨンに使ったり、とりわけ長時間の煮込み料理には、タイムなくしては考えられないでしょう。

【クミン(仏)Cumin キュマン】私の好きなスパイスの一つで、日本人の口にも良く合うと思います。カレーやシチューを作るときに少量入れるとクミンの風味がして、いつもと違った感じに仕上がると思います。アクのある野菜を茹でるときに使ったりもします。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

 

 

タグ:仏蘭西料理 スパイス

 

 

 

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