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らくがきスポーツカフェ362013年07月20日号
ホームタウンを世田谷区におく日本最大級の女子専門サッカークラブ「スフィーダ世田谷FC」のことは、3年前に本紙に書いた。そのスフィーダが今シーズンなでしこリーグ昇格へチャレンジしていて、順調に成績をあげている。
スフィーダは、この3年で一歩一歩着実に実力をつけ、一昨年なでしこリーグの下部リーグであるチャレンジリーグに昇格した。今シーズンは優勝すれば、もちろんなでしこリーグへ自動昇格。最悪4位でも、入れ替え戦を戦うことができる場合がある。
チャレンジリーグは全日程22節で行われ、現在は14節を終わってスフィーダが首位である。残り8節は7月20日から始まる。ホーム試合は夢の島競技場や駒沢オリンピック公園陸上競技場などで4試合行われる。
スフィーダの魅力は観客を魅了するアタッキングサッカーだ。いつも攻撃的に前に進む攻めのサッカーにあり、守備的な試合を嫌う。これまで14戦を戦い12勝2敗であるが、その2敗は、いわゆる試合に勝って、勝負に負けた悔しい試合であった。
闘争心あふれる選手たちは最後の数秒まで攻め続け、走り、諦めないから、観戦者も熱くなり試合ぶりにも納得することができる。
リーグ最終戦は9月22日だが、天王山は9月14日ホームの駒沢オリンピック公園陸上競技場で戦うASエルフェン狭山FC戦(埼玉県狭山市)だ。
今シーズンなでしこリーグから降格し1年で優勝・昇格を目指すASエルフェン狭山は、残り8試合を勝つために、ワールドカップやオリンピックで活躍した大野忍選手をこの7月入団させた。
スフィーダもASエルフェン狭山も優勝をかけた決戦としたいだろう。いわゆる胸突き八丁にさしかかった頃の試合が一番の見所だと、私は長年のスポーツ取材からそう思う。
7月から9月までの8試合、スフィーダの川邊健一監督は攻撃的なチームスタイルを成熟させるという。
選手は夏場のデイゲームで疲れが大きい。身体が動かず空回りをすると勝てない。長い、長い試練の階段を上り詰めるのは極めて難しい。
選手たちの苦労の体験をよく知っている私には、その試合はアスリートのドキュメンタリーに見えることだろう。
結果がどうであれ、私はこれからもスフィーダの選手たちを心から応援するのだ。
<筆者紹介>
堀田 壽一(ほった じゅいち)
愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。
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