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第17回 テーブルマナー2013年08月20日号

 
山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 

テーブルマナーを身につけるのも美味しくいただくコツ

 今回はフランス料理店でのテーブルマナーについてお話しします。

 テーブルにずらりと並べられたフォークやナイフ、スプーンに、フランス料理が初めてという方は、ちょっと戸惑ってしまうのではないでしょうか。

 基本的には、外側から使うように順に並べられていますが、自分の使いやすい物を使って問題はありません。間違えて使ってしまっても、スタッフが次の料理のときに並べかえてくれたり、新しい物を持ってきてくれますから大丈夫です。

 食事中にトイレに立つのは構いませんが、できれば先に済ませておきましょう。何度も席を立つと、相手に失礼になる場合もあります。

 料理人の立場から言わせていただくと、食事の途中でトイレに行かれるのは、実は非常に困ります。最高の状態でお客様に料理を提供できるよう、タイミングを計って食材に火を入れたりするからです。

 食事中にどうしても席を立つ場合には、フォークとナイフを皿に「ハ」の字に置いてください。これは「まだ食事中です」というサインです。また、フォークとナイフを揃えて皿に斜めに置くと、フランス式の「食事が終わりましたので料理を下げてください」という合図になります。

 最近はあまり見かけませんが、皿を手で持ち上げて食べるのはフランス料理店ではNG。そうしても良い器は、コーヒーカップのような取っ手の付いている物だけです。

 最後に、これは私の個人的な考え方ですが、フランス料理店で食事をするときは、なるべく一緒に行く相手と同じ物(メニュー)を注文しましょう。「美味しかったね」と言われても、別々の物を食べていたらそこで会話が終わってしまうでしょう。同じ料理を食べていれば、「あの魚のソースが良かった」とか、「デザートがさっぱりしていた」など、帰り道でも会話が弾みます。

 私が思うに、フランス料理を食べ慣れている方ほど相手と同じメニューにしている気がします。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

 

 

タグ:仏蘭西料理 スパイス

 

 

 

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