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特集 東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業2013年09月20日号
足立区都市建設部 鉄道立体推進室長 鈴木邦夫
東武伊勢崎線竹ノ塚駅は、埼玉県草加市との県境付近に位置する足立区にとって北の玄関口。この駅に隣接する2箇所の踏切は、ピーク時1時間あたり57分程度も遮断したままのいわゆる「開かずの踏切」となっており、地域にとって、東西の交流が分断されるなど長年の大きな課題となっています。この2箇所の「開かずの踏切」を同時に除却する事業が「東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業」です。これまで、連続立体交差事業は都道府県や政令市以外は施行できませんでしたが、平成17年度の国による制度拡充を受けて特別区も可能となり、都内初の区施行として足立区が施行しています。
【事業効果の高い連続立体交差事業】
連続立体交差事業は、複数の踏切を同時に除却することによって、円滑かつ安全な交通を確保するとともに、交通渋滞や市街地分断を解消し、地域の活性にも資する極めて効果の高い事業です。
足立区内には、ピーク時1時間あたりの遮断時間が40分以上のいわゆる「開かずの踏切」が5箇所存在しており、慢性的な交通渋滞や地域分断などの要因となっています。
【都内初の区施行による連続立体交差事業】
このうち、2箇所の「開かずの踏切」を同時に除却する事業が「東武伊勢崎線(竹ノ塚駅付近)連続立体交差事業」です。
これまで、連続立体交差事業は都道府県や政令市以外は施行できませんでしたが、平成17年度の国による制度拡充を受けて特別区も可能となり、都内初の区施行として足立区が施行しています。
【事業概要】
東武伊勢崎線竹ノ塚駅は、埼玉県草加市との県境付近に位置する足立区にとって北の玄関口となっています。
この駅に隣接する2箇所の踏切は、ピーク時1時間あたり57分程度も遮断したままのいわゆる「開かずの踏切」となっており、地域にとって、東西の交流が分断されるなど長年の大きな課題となっています。
本事業は、駅を中心とした約1・7㎞の区間において、鉄道を連続的に高架化し、これら2つの「開かずの踏切」を除却するもので、地域の活性化等、まちづくりの推進にも期待されています。
事業区間においては、複々線の4線に加え、引上げ線2線を含む合計6線を高架化します。また、近隣住民への影響を考慮し、用地買収を最小限にしたため、作業スペースが限られた中で、1日約1000本もの運行を確保しながら施工するなど、技術的にも難易度の高い工事となっています。
このため、総事業費は約540億円、全体を4つの工区に分割して平成24年11月4日に着工しており事業完了は平成33年3月の予定です。
【これまでの経緯】
これまでの主な経緯は、次のとおりです。
①地元にとって地域を東西に分断している鉄道の高架化は、都市化が進んだ昭和後半からの強い要望であった。
②平成16年度の東京都の「踏切対策基本方針」において、竹ノ塚駅付近が鉄道立体化の検討対象区間(20区間)のひとつに位置づけられる。
③平成17年3月に4名の死傷者が出る痛ましい踏切事故が発生し、地域住民が約22万人にもおよぶ署名を集めるなど、鉄道高架化の実現に向けた機運が大きく高まる。
④平成17年度から、国により連続立体交差事業の促進を目的とした制度拡充が図られ、特別区も施行可能になる。
⑤平成18年度から、幹線道路が交差していなくても交通状況等により国庫補助金の交付が受けられるよう事業採択基準が緩和される。
⑥一方、区としても区議会の協力を得て都内初の区施行事業として方針決定するとともに、事業完了までの財源となる基金の積立を行う。
以上のように、技術面・財政面における国や都からの支援を受けるとともに、地元・議会・行政の連携によって課題を一つ一つ解決し、平成23年3月に都市計画決定、同年12月に事業認可、そして、平成24年11月4日に起工式と、事故発生から7年7ヵ月という異例の早さで工事着手することができました。
【竹ノ塚駅周辺地域の発展を目指して】
今後は、事業執行に見合った補助金等の財源を、事業完了まで継続的かつ安定的に確保していくよう努め、引き続き国や都の指導をいただくとともに、鉄道事業者と協力して、地元の理解を得ながら安全第一に1日も早い工事完成を目指していきます。
また、将来の鉄道高架化実現によって地域交流が活性することから、本事業に合わせて、西口駅前広場及び区画街路の新設や、東口駅前広場の拡張、幹線道路の整備などのまちづくり関連事業を行うことで、竹ノ塚駅周辺地域の発展を目指し、区の北の玄関口としてふさわしい顔となるよう、区として全力を挙げて取り組んでいきます。
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