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第22回 フルーツの目利き2014年01月20日号

 
山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 

フルーツの目利き

 スーパーマーケットや百貨店の青果売り場にあるフルーツは、必ずではありませんが、すべて同じ日に入荷したものとはかぎりません。特に、大量に山積みされているフルーツの中には、大きさや色が違うものが多数存在します。その中から本当に新鮮で良いフルーツを見つけるには知識が必要です。今回は、家庭でよく食べられているフルーツを例に挙げて、その選び方についてお話しします。

〈イチゴ〉

 まず粒がしっかりしているものを選んでください。私も先日、長崎のイチゴ農家さんに教えてもらったのですが、イチゴは品種によってかなり色が違います。もともと少し赤黒い品種もあるので、色だけでは判断できません。新鮮なものは、やはり輝いて見えます。古くなるとイチゴ自体にハリがなく、色もどんよりしてきます。わかりやすいのは、緑のヘタを見てください。葉がきれいでシャキッとしているものは新鮮ですが、古くなると葉が乾いてしんなりしてきます。

〈リンゴ〉

 リンゴは皆さんにもわかりやすいと思います。皮にハリがあり、色が濃いものを選んでください。古くなると皮にハリがなく、シワさえ見えるものもあります。また、新鮮なリンゴは、まず重いです。古いリンゴほど中がスカスカになり、軽くなります。野菜もそうですが、やはり水分が豊かで重量感があるものは新鮮で美味しいのです。ヘタにも注目してください。もぎたてのリンゴはヘタも緑がかっていて、しっかりしていますが、古くなると茶色くなり、すぐに取れてしまいます。

〈ブドウ〉

 粒が均一なものを選ぶと良いでしょう。茎が緑色なのが収穫されてから時間の経っていないものです。白い粉がたくさん付いていると、農薬だと勘違いしてしまう方がいらっしゃいますが、そうではありません。あの粉はブルームと言って、雨などの水分を弾いてブドウが病気になるのを防いでくれるものなので、粉がたくさん付いているブドウほど鮮度が良いという目安になります。

 このように知識を身につけておけば、他人より良い品を選べて得をした気分になるかもしれません。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

 

 

タグ:フランス料理 山下敦司

 

 

 

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