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大島災害復興支援 ー特別特集ー2014年01月20日号
昨年10月に大島を襲った台風26号により、現地では甚大な被害が発生した。島の基幹産業である観光業の再生をはじめ、島の復興には息の長い取り組みが求められることは不可欠で、東京都の全面的な支援が欠かせない。島しょ選出の三宅正彦都議(自民)に、大島の復興にかける思いをうかがった。
(聞き手/平田 邦彦)
仮設住宅の早期整備が第一
—島選出の都議会議員として、今後の復興にかける思いを聞かせてください。
私は大島の元町出身です。被災した地域では、同級生の親や私を支援してくれた方々をはじめ多くの知り合いが亡くなってしまいました。あのような豪雨が降るとは思わなかったでしょうし、ましてやこんなに多くの死者が出るとは誰も思わなかったでしょう。
最初に求められるのは住宅を失った方々への支援です。東京都は3月末までに仮設住宅を建設するとしていますが、縁故避難の方々もいますので、何とか1月末までに建設するよう交渉しています。店舗を失った方々も多いのでその対応も必要です。
豪雨によって発生した大量の土石流やがれきをいかに処理するかも大きな問題です。
私は12月18日、「防災都市づくり推進東京都議会議員連盟」の視察で仙台に行きましたが、宮城県の担当者から、現地のがれき処理の現状などの説明を受けてきました。
宮城県の災害廃棄物は推計1万871トンもの膨大な量です。沿岸市町の処理だけでは負担が甚大なことから、宮城県が処理の一部を沿岸12市町から受託していました。
県は沿岸部を4ブロック8処理区に分け、選別や焼却などの中間処理を行う二次仮置き場で処理を行っているとのことです。平成26年3月までには処理が完了する見込みです。
東京都は大島町からがれき処理を受託することとなりましたから、早期のがれき処理に期待したいです。
大島では昭和61年の噴火以来、砂防ダムの整備が進められてきました。今回の豪雨ではこの砂防ダムが機能していたことがわかっています。土砂と流木から街を守ってくれました。
整備当初は砂防ダムの効果について疑問視する声も島にはありましたが、今では無駄ではなかったということで認識が変わっています。国交省の担当者は「我々の仕事はマイナスをゼロにすること」と述べていましたが、なるほどと思いました。
—昨年12月の都議会定例会では大島復興が大きな議論となる予定でした。
そうなんです。でも猪瀬知事(当時)の問題が出てしまいましたのでね。
連日のマスコミ報道で大島のことはどこかに忘れられてしまいました。とても残念でなりません。
観光業に特化した支援が必要
—大島の基幹産業である観光業の振興が急務です。
都庁第一庁舎2階の東京観光情報センターで、12月16日から大島の物産展が開催されました。
全国観光PRセンターでも1月末まで物産展を開催してくれています。さらに東京マラソンのときにも物産展を開催することになっています。
観光業の受けたダメージはとても大きいです。東京都でも様々な支援策を検討していますが、1月26日から始まる椿まつりの期間には何かしらの支援をお願いしています。とにかく観光に特化した支援をお願いしたいと思っています。
大島には年間20万人の観光客が訪れますが、しばらくは工事関係者や視察団の来島が増えるでしょう。お金を落としてくれる観光客が来てくれるかどうか心配です。
観光復興には島民の意識改革も必要だと思います。「おもてなし」がキーワードだと思うのですが、我々も努力しないといけないところがありますね。
—三宅島の噴火の時、東京都は復興事業で土木工事費を計上しています。今回はどうなりますか。
建設局でハード面の支援策を検討する委員会が設置されています。今年度中には一定の方向をまとめることになると思います。まずは復旧事業に全力を注いで、その後に氾濫した箇所を整備したりすることになるのではないでしょうか。原状回復が最優先です。
個人の方々の生活再建も課題です。商売をやっている方が、そこで再開するというのは、資金面も含めかなりの覚悟がいると思います。今後は、町が中心となって取り組んでいくべきですね。
生活再建、がれき処理、今後の避難体制、インフラ復旧、この4本が復興の柱です。
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