2008年1月21日号
あなたの募金が東京の緑に
「緑の東京募金」スタートから三ヵ月

 東京都の長期計画「十年後の東京」が第一の柱として掲げる「水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活」。その実現に向け、新たな発想のもと創設されたのが「緑の東京募金」だ。緑化事業は行政が税金を投入して進めるものというこれまでの意識を変革し、都民や企業に自分たちで緑をつくるという意識をもってもらおうというのがその狙いだ。税制上の優遇措置やホームページへの名前掲載といった話題性も手伝い、昨年十月二十二日のスタート以来約三ヵ月で、募金総額は約四千六百万円(一月十七日現在)と順調な伸びをみせているという

目標額3年間で8億円

 「十年後の東京」では、緑あふれる東京の実現に向け、千ヘクタール(サッカー場千五百面)の緑の創出、街路樹の倍増(四十八万本から百万本)、「海の森」の整備などを目標に掲げている。

 緑の東京募金はそうした緑化事業のうち、(1)「海の森」の整備、(2)街路樹の整備、(3)校庭芝生化、(4)花粉の少ない森づくり――の四事業に充当される。

 「海の森」事業は東京都のごみや建設残土を埋め立てた「中央防波堤内側埋立地」約八十八ヘクタールにスダジイ、タブノキなどの苗木四十八万本を植樹し、緑あふれる森を三十年かけて造成しようという壮大な事業。海から都心への「風の道」の起点となりヒートアイランドの軽減やCO2の削減にも貢献すると期待されている。今後三ヵ年で七万本の植樹を予定している。

 「街路樹の整備」では今後三年間で現状の一・五倍の七十万本への増加を目指す。

 「校庭の芝生化」は千ヘクタールの緑の創出のうち三百ヘクタールを担う重要な施策。今後三年間で六十ヘクタールの芝生化を見込む。

 「花粉の少ない森づくり」では、多摩地域のスギ林を伐採し、花粉の少ないスギ等を植樹することで、花粉の少ない森に更新する。

 募金目標額は三年間で八億円だが、これはあくまでも当面の目標で、「緑の募金」事業は将来にわたって続けていく方針という。

 緑の東京募金実行委員会事務局の倉田副参事(環境局自然環境部)は「緑の東京募金は、今生きている私たちだけでなく、子どもたち、さらに次の世代に緑を引き継ぐための募金です。一口千円からできますので、ぜひご協力をお願いします」と呼びかけている。

税制上の優遇措置も 一口千円から誰でも募金

 緑の東京募金にはこれまでにないユニークな特徴があり、それが多くの関心を呼び、募金増につながっている。

 第一の特徴は自分の寄付を四事業のうち、どの事業に使ってほしいか指定できること。多くの寄付では、寄付した後の具体的な使途が必ずしも明確でないが、この募金では使途を指定することで、緑化事業への貢献をより身近に、肌で感じることができる。また、事務局の経費は税金でまかなうため、寄付された募金はすべて緑化事業に充当されるというのも分かりやすい仕組みだ。

 第二に自治体への寄付ということで、税制上の優遇措置が受けられるということ。とくに法人の場合は寄付金全額を損金参入できることから、利益の圧縮などでメリットが大きい。そのため事務局では三月期決算に向け、今後、法人への働きかけを強めていくとしている。

 第三の特徴は希望すれば、東京都のホームページに「ご協力いただいた方々」として氏名を掲載してもらえること。振込みの際に「氏名の公表に同意する」にチェックすればよい。もちろん希望しない場合は掲載されない。

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