2008年2月20日号
東京の農家を知ってほしい

 東京都国分寺に住む飯田幸男さんは、10年前に会社を辞め、農業に携わり、野菜づくりに励んでいる。

「年収は会社勤めの時よりは減ったし、休みも少なくなりました。現在、妻の実家で直売所用に年間70〜80品種の野菜と切花を、その他に有機栽培でカボチャやジャガイモ、トマト、ナス、人参などをつくっています。喜んで買ってくれる人をみると、農家になって良かったと思います」。

 会社を退職後、飯田さんはベテランの有機農家を尋ね、独自に勉強をしながら有機農業に取り組んでいる。都内でも有機JAS認定を受けているのは、2〜3人。勉強のため飯田さんも認定を取ったが、今は返上しているそうだ。収穫した野菜は共同購入のグループや自然食品店、レストランに卸している。

「日本の自給率はカロリーでいうと4割ということは皆さんご存知だと思いますが、種の自給率のことを知っていますか? 種の自給率は1割以下なんですよ。市場の要求で、農家は味よりも収穫量の多い、見た目がいい、運送しやすい、一度に収穫できる、加工のしやすいなどの品種を選ぶしかありません。私は美味しい野菜をつくるために種から多摩産の野菜などをつくっていきたいと思っています」。

 飯田さんは、有機農業やその販売をしている仲間たちと、一緒に多摩をもっと元気にしようと「たまおこしの会」を立ち上げた。多くの人が参加できるように、会則も年会費もなく、やりたいことを提案した人が声をかけ、それを実行に移してきている。

 会では、東京の林業の現状を憂い、一昨年より多摩地域の林産資源でカレンダーをつくり始めた。今年のカレンダーは多摩でとれた野菜と果樹の花の写真を使用。今後も様々な形態でカレンダーづくりを進めたいと意欲を燃やしている。

 「東京にも農家はいます。東京の消費者が変われば、農業は必ず変わりますよ。食べる人が増えないと安全な地元東京の有機栽培の野菜も増えないでしょう。ぜひ一度、東京の有機野菜を食べてみてください」。

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