2008年5月20日号
鳥瞰 「優先席は必要なのか」
優しさと思いやりに溢れた国作りを目指せないのか。

 大阪の私鉄が優先座席を復活させたとのニュースを聞いた。優先座席のない電車があることも知らなかったし、それが復活されたとの話に驚かされた。

 そもそも優先席をわざわざ設けなくとも、社会が優しさに満ちた、敬老社会であったなら、そんな配慮は必要ない。

 老齢化社会が進む中で、優先席が足りないと申し上げている訳ではない。

 弱者に対する思いやりは、わざわざ他から指摘されるまでもなく、誰もが身に付けていなければならないマナーだし、それをルール化しなければならないことが情けない。

 しかし現在優先席に我が物顔に座る若者はごく当たり前に見られるし、年寄りが席を譲られる姿を見ると、何故かほっとする自分に気が付くのだ。

 当たり前のことが当たり前に出来ないから、優先席を設けたが、それすらも守られない社会であるのが現実なのだ。

 更には電車の中で化粧をしたり、長距離の列車に乗っているわけでもないのに、飲み食いをする姿は、見良い景色には映らない。車内を走り回る子供を注意すれば、親に逆切れされたりもする。

 家を一歩出れば、そこは公共の社会で、そこには厳然として守るべきソーシャル・マナーがあることを、忘れたかのようだ。

 話は変わるが、嘗てパリの万博に出掛けた、島津藩の一行は、その異様な風体で大いに注目を集める一方で、たおやかで折り目正しい立ち居振る舞いで、大いに尊敬を集めたとの史実がある。

 少なくとも我々日本人は、それだけの素養を持っていたことに思いを馳せようではないか。

 軍事力、経済力で世界にアピールすることより、優しさと思いやりに満ちた国民性で評価される国になれたとしたら、どんなにか素晴らしいと思うのは小筆だけだろうか。

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