2008年6月20日号
新たな水供給システムを構築
「おいしさ」と「省エネ」を両立

 東京都水道局では、「安全でおいしい水プロジェクト」の一環として利根川水系の全浄水場への高度浄水処理の導入など、さまざまな施策を推進しているが、安全でおいしい水に対するお客さまニーズはさらに高まっている。また、環境保全や省エネルギーに対する社会的要請も高まってきている。

 このような背景から、従来の「水をつくる視点」に加えて、新たに「配る視点」での施策を推進する必要があり、従来の水量・水圧コントロールに、「おいしさの視点」と「エネルギー管理の視点」を加えた「新たな水供給システム」の構築に取り組んでいる。



 「おいしさの視点」では、残留塩素の水質基準が国では0・1mg/l以上となっているのに対し、都水道局ではそれを上回る高い水質目標として「おいしさに関する水質目標」を独自に定め、カルキ臭の原因の一つである残留塩素の目標値を0・1〜0・4mg/lに設定している。

 この目標値の達成率は平成18年度に63%だったが、達成率の更なる向上をめざし、きめ細かな塩素注入を行うため、給水所に追加塩素注入設備を導入して水質をコントロールする新たなシステムを構築している。

 現在、塩素注入は浄水場で行っているが、時間経過とともに消毒効果が減少していく。そのため、末端の残留塩素濃度を一定程度に保つ必要性から、浄水場に近い給水区域の残留塩素濃度が高くなる傾向が生じている。

 浄水場下流に位置する給水所で追加塩素を注入することができれば、浄水場での塩素注入率を低減でき、全体的な残留塩素の低減化が図れるというわけだ。

 また、「エネルギー管理の視点」については、省エネルギーの社会的要請に応えるため、トータルエネルギー管理システムを開発する。都水道局は都内の電力使用量の約1%に相当する大口の使用者であり、特に送配水施設における使用電力が6割程度を占めている。このシステムは、浄水場や給水所など送配水施設における電力などの運転データを収集し、エネルギー使用状況を把握・分析することによって、エネルギー使用量の少ない送配水ルートを選択するシステム。エネルギー効率の一層の向上が期待されている。

 都水道局では、これらの、新たな水質コントロールシステムとトータルエネルギー管理システムを、水量・水圧を一元管理している従来からの水運用システムに取り込むことにより、「おいしさ」と「省エネルギー」を両立した高水準の「新たな水供給システム」を構築し、平成22年度の運用をめざすとしている。

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