2008年9月20日号
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●有限会社ことぶき ●茨城県筑西市 ●1984年設立 ●従業員数3名

TOKYO★世界一 (9)

KTBーOZONE(オゾン) α1000

ことぶき

 世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。赤水防止装置や天然由来の無公害消臭天然飼料などを製造・発売してきた、ことぶき。設立以来、環境保全を事業テーマに掲げ尽力してきているが、2006年7月、また新たな製品を発表した。従来品より軽量・安価で使い勝手のいい、除菌・消臭用オゾン発生装置。その特徴などをご紹介する。

(取材/袴田宜伸)


 オゾン(O3)は、自然界に存在する有臭無色の気体。塩素の5〜6倍とも言われる強力な酸化作用があり、オゾンが臭い物質などと酸化(反応)することで除菌・消臭がなされる。しかも酸化後の残留性がなく、新たな耐性菌を発生させることもない。

 また、オゾンの原料は酸素。従っていつ・どこでも安価に生成することが可能で、製品にした時のランニングコストを低く抑えられるのだ。

 オゾンのこうした優れた特徴をことぶきの代表取締役社長・和田義雄氏は、代理店として既製のオゾン発生装置を販売していた経験から知り得ていた。だが、顧客に対する製造メーカーの購入後のサポート体勢が整っていないなど、取り扱っていたその製品は和田氏を納得させるものではなかった。

 「ないなら自分で作ろう」

 2005年5月、和田氏は自分が胸を張って販売できるオゾン発生装置の開発を始めた。

シンプル、軽量、メンテナンスのしやすさ

代表取締役社長の和田氏

代表取締役社長の和田氏

 「機械関係にはうといので一から勉強し、見様見真似で製作を進めていきました」

 教科書代わりにしたのは、既存の製品。何台も分解しては中を覗いて基本構造を学び、「ほとんど手作りのパーツ」を組んではバラす。毎日がその繰り返しで、昼夜を問わず、思いついたことがあれば夜中に飛び起きて作業することも少なくなかった。

 その内に既存の製品の欠点・修正点もわかるようになり、それらの改善にも着手。中でも力を入れたのが「誰でも操作できるシンプル性」「軽量化」、そして「メンテナンスのしやすさ」。和田氏は続けて言う。

 「業界には、売ったら売りっぱなしのメーカーも少なくありませんが、当社ではご購入後も責任を持ってメンテナンスを請け負っています。そのため、万が一故障があったとしてもメンテナンスしやすいように製作しました」

ゴキブリやネズミの忌避効果も絶大

 試行錯誤の末、開発開始から1年2カ月足らずで完成の運びとなった除菌・消臭用オゾン発生装置「KTB-OZONE α1000」。従来の製品と比べて重量が約1/3で価格もおよそ半分と、格段な差がある一方、用途に応じて分単位から時単位、日単位まで設定できるマルチタイマーを供えているなど利便性も高い。

 操作もシンプルで、ボタン1つで稼働。故障が少なく、これまでクレームが皆無なこともKTB-OZONE α1000の大きな特徴だ。

 性能面での高さも目を引き、除菌・消臭効果が絶大なことはもちろん、ネズミやゴキブリの忌避効果もあり、これらはそれぞれ、財団法人北里環境科学センターと財団法人日本環境衛生センターでの試験でも実証されている。

困っている人の手助けが研究開発のテーマ

老人ホームでの使用例

老人ホームでの使用例。除菌・消臭を目的としてリネン交換時に週1回、約10分使用される

 中国からの引き合いも来始めているKTB-OZONE α1000は、主に国内のホテルやレストラン、老人ホームなどに導入されているが、その軽さと使いやすさが目にとまり、JR東日本でも車両の清掃などに使用されている。

 「1両に2台・20分稼働するだけで臭いなどが全て落ちますので、非常にお喜び頂いております」

 KTB-OZONE α1000で好評を博していることに甘んじることなく、ことぶきでは本年9月中に、グリーストラップ(汚水の浄化機器)の悪臭などを改善する新たな装置を発売予定だ。

 「これからも『水質や空気で困っている人を手助けすること』をテーマに研究開発を行い、良いものを適正価格で世の中に普及していきたいと考えております」

 今後の意気込みを、和田氏はそう口にした。

 キーワードは環境保全―設立当初から変わらぬ思いを抱き、これからもことぶきは挑戦し続けていく。

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