イタリアの朝食の定番は甘い誘惑

  • 記事:大庭 麗

健康志向から、最近では全粒粉や穀物を用いた中身なしのコルネットをよく見かけるも、やはりオーソドックスな甘いコルネットが一番美味しい

 先月イタリアを訪れて、久々に朝食に美味しいコルネットを食べました。コルネットとは、クロワッサンの中に、ジャムあるいは、カスタードクリーム、ヌテッラ(ヘーゼルナッツペーストの入ったチョコレートクリーム)などの詰まった、イタリアの朝食の定番です。コルネットの歴史は古く17世紀後半にウィーンから、当時のヴェネツィア共和国に伝わったのがその起源。もちろん庶民が朝食にコルネットを食べるようになったのは、それからかなりの年月が経ってからです。実はクロワッサンよりもコルネットの方が歴史は古く、お隣フランスにはマリー・アントワネットが結婚した1770年に、その文化を持ち込んだと言われています。

 イタリアでは、朝からしっかりと食事をする人は割と少なく、小さな子供のいる家庭の多くは、家でミルクとクッキーを食べる程度が普通です。そして、多くの大人たちは、朝食のために、近所や職場の近くにあるバール(喫茶店、カフェテリア)に立ち寄ります。

 朝のバールでは、男性も女性もみなコルネットを頬張っています。早朝に焼き上げた、まだ温かいコルネットが提供される店も多くあり、カップチーノとの組み合わせは最高。そして、なによりも忙しい朝に手軽で、腹持ちが良い。炭水化物と充分な脂質、そしてジャムやクリームの糖分で、寝起きの身体にエネルギー注入して、朝から元気にアクティブにという訳です。しかし、その平均的なカロリーは、日本のメロンパン1個とほぼ同じ400〜450kcal。多くのみなさんが感じた様に、それって身体にいいの? 太るんじゃない?と考えてしまいます。

 世界的に健康志向が強まる昨今、イタリア人の多くも健康やプロポーションを気にしており「毎朝のコルネットの習慣を止めた」なんて話もよく耳にします。しかし、周りが美味しそうにコルネットを頬張るなか、ひとり我慢するのは辛い様で「美味しいんだけどねー」と嘆く声もしばしば。

 そんな話を耳にするようになって、私もイタリア滞在中の、コルネットの回数を若干制限。ただ美味しそうなコルネットに出会った時は特別で、その時ばかりは存分に楽しみます。

大庭 麗 おおばうらら

大庭麗東京都生まれ。2001年渡伊。I.C.I.F(外国人の料理人のためのイタリア料理研修機関)にてディプロマ取得。イタリア北部、南部のミシュラン1つ星リストランテ、イタリア中部のミシュラン2つ星リストランテにて修業。05年帰国。06年より吉祥寺にて『イル・クッキアイオ イタリア料理教室』を主宰。イタリア伝統料理を中心に、イタリアらしい現地の味を忠実に再現した料理を提案し、好評を博している。

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