都市計画道路の在り方は

  • 記事:遠藤 直彦

 東京都は12日、都市計画道路の見直しに関する検証手法などを示した「東京における都市計画道路の在り方に関する基本方針案」を取りまとめた。変更予定となる路線は、放射24号線(環状4号線付近~放射6号線・新宿区)などの概成道路や大栗川橋南(八王子市)などの立体交差点、放射16号線の千代田橋などの橋詰など。都は基本方針案に対する都民からの意見・提案を踏まえ、基本方針を策定することとしている。

基本方針案まとまる

 都市計画道路は多様な機能を有する都市を形成する極めて重要な基盤施設であり、東京都もこれまで整備に力を注いできた。しかし、都内の都市計画道路の完成率は約6割程度と、まだ多くの未整備区間が存在しているのが現状。

 東京都と各区市町は、都市計画道路を計画的、効率的に整備するため、おおむね10年ごとに事業化計画を策定し、整備を推進すると同時に都市計画道路の見直しを行ってきた。

 基本方針案では、「整備すべきものは整備し、見直すべきものは見直す」との考えを基本としている。整備方針(第4次事業化計画)により、必要な都市計画道路の整備を着実に進める一方、優先整備路線等を除いた未着手の都市計画道路の検証を行い、基本方針案をまとめている。

 基本方針案で示された変更予定路線は、「概成道路」、「立体交差点」、「交差点拡張部」、「支線」、「橋詰」、「事業実施済区間」、「既存道路による代替可能性」など。

 対象となったのは、必要性が確認された路線の内、優先整備路線として選択されなかった路線。その延長は535キロメートルにも及ぶ。この路線を、既成道路における拡幅整備の有効性などの新たに設定された検証項目に基づき、計画の変更を決定している。

 概成道路については、歩行者の状況や路線バスの運行状況、防災都市づくり推進計画などの地域の実情を踏まえた評価を行い、その結果、現道に合わせて都市計画を変更するかを検証している。

 都市計画道路と都市計画道路との立体交差については、位置関係や地形、交通状況等の地域の実情を踏まえ、立体交差計画の要否を検証している。

 橋詰とは、橋の架け替え用地、災害時の一時避難場所等として使用する空間。震災復興都市計画等により都市計画決定されたが、現在、新たな都市計画決定は行われていない。このような状況を考慮し橋詰の要否を検証している。

 事業実施済区間は、都によれば、都市計画事業以外の手法により、既に事業が実施された区間で、現道の道路幅員が都市計画道路幅員とほぼ同じであるものの、現道の道路区域が都市計画道路区域と一致していない区間を指す。当該区間が道路構造条例等を満たしているか、安全かつ円滑な交通が確保されているかなどの地域の実情も踏まえ、都市計画変更するかを検証した。

 既存道路による代替可能性は、都市計画道路以外の道路を対象に、幅員等の条件や、都市計画道路ネットワークの連続性・交通状況等の地域の実情を踏まえ、都市計画道路が有する機能を代替できるかを検証している。

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