アフターコロナの職場環境

  • 記事:平田 邦彦

劇的な変化を見逃すまい

 経済活動の復活を目指して、様々な規制は解除され、街に人影は戻りつつあるが、この数か月の体験は、社会に大きな変革をもたらし、劇的とも言える変化の兆しを見せている。

 在宅、テレワークの体験は、これまで比較的見逃されてきた家族との結びつきを見直す機会となり、主婦の仕事の内容を改めて知ることとなったし、3食準備することの大変さに気づかれたご亭主も多いだろう。

 毎日仕事場に行かずとも、こなせる仕事の進め方にも慣れて来たし、通勤に使っていた時間の無駄とあの通勤ラッシュから来るストレスからも解放される喜びも知った。

 既に人数分の机を持たないフリーアドレス・オフィスを実現している企業も珍しくはなくなりつつある。定時から定時までを仕事の有無にかかわらずデスクに居ることを求められた勤務形態は過去のものとなり、成果によって評価される人事考課が当たり前になって来る。

 パソコンが登場する以前はワープロがまず登場し、それは女子社員によって資料作り、清書をする目的にもっぱら使われ、給与の高い社員がそんなことを覚える必要もなければ、使うことは給料泥棒呼ばわりもされた。それがPCの普及と共に、一人一台のPCを持たない会社は時代遅れ扱いをされ、求職者数も少なく、離職者が増える傾向となった。

 それが今日では、PCもすっかり小型になり、持ち歩くのが当たり前。オフィスのペーパーレスも進んで、私物を入れる引き出しすら与えられない時代になりつつある。今はまだICカードを首から下げているのが当たり前の風景で、うっかり忘れて廊下に出れば、トイレに行っても自席に戻れない。ほどなくあれはICチップとなって、首からタグを下げる光景も過去のものとなるだろう。時代はどんどん動いている。それがこのコロナ騒動で、それこそ雪崩のように勢いを増して動いて行こうとしている。

 無柱空間何百坪を誇った職場は敬遠され、ブロイラーのように人が蝟集する職場では人集めもままならない。 都心に大規模な本社機能が不要になるとは思えないが、これまでのような大きなオフィスではなく、サテライト、クラスターのようなオフィス形態が登場し、都心集中の姿が変わり、それが当たり前になるかも知れない。

 住宅にしても地価の高い都心に狭い住宅を求めるより、緑豊かな環境のなかで子供を伸び伸び育てたいとの思いは、通勤の問題が解決すれば夢ではない。我々はもうそんな時代の到来を見ようとしている。この一連のコロナ騒動は、そんな時代の予兆として考えておく必要があるのではないだろうか。

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