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技術日本一
2011年2月20日号

 

NIPPON★世界一 (37)

Clean O-Zero III

●株式会社振誠テクニカ  ●静岡県沼津市
●1969年設立

Clean O-Zero III
(クリーン・オーゼロ・スリー)

株式会社振誠テクニカ

 日本にある世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
 高齢化に伴い大人用紙おむつの需要が増加し、一方でその処理が課題となっている。その市場で現在脚光を浴びているのが、振誠テクニカの『Clean O-zero(クリーン・オーゼロ)Ⅲ』だ。2009年には静岡県が実施する「中小企業の経営革新支援制度」より承認を受けている。

(取材/種藤 潤)

 

 「紙おむつ」と言えば育児用品という認識が一般的だったが、近年は高齢化により、介護現場等で使用される「大人用紙おむつ」の需要が急増している。それに伴い、使用済み紙おむつの処理が社会問題になっている。使用後は糞尿など有機物により重さ・容積がかさばり、臭いも強烈。特に病院や介護施設等大量のおむつが出る現場では、衛生的かつ効率的、低コストでの処理が求められる。

 こうした状況を受け、現在多くの企業が紙おむつ処理装置を開発、販売しているが、今回紹介する振誠テクニカの『Clean O-zero(クリーン・オーゼロ)Ⅲ』は、静岡県が行う「中小企業の経営革新支援制度」の承認を得ている、注目の装置である。

電機制御一筋ゆえに完成した処理装置

 『Clean O-zeroⅢ』は使用済み紙おむつを1日約400枚、120㎏相当を3~5㎏に処理することが可能。その仕組みは、庫内を低酸素状態に保ちながら加熱することにより有機物をガス化。処理物を炭化物のみに変化させ、ヒーターにより自燃を促進、最終的には灰にすることができる。

(株)振誠テクニカ代表取締役社長の庄司氏

 さらに有機物から発生したガスは複数の温度の異なる燃焼炉を設け、完全に燃焼させることに成功。ほぼ無煙、無臭の排気ガスとして大気に放出すことができるのだ。

 「これまで紙おむつの燃焼処理においては、発生する有毒ガスが課題でした。この『Clean O-zeroⅢ』ではその課題をほぼ克服しました」

 『Clean O-zeroⅢ』は電力をエネルギー源としているため、CO2の発生が極めて少なくエコロジー。しかもコンピューター制御により操作も簡単、24時間運転も可能にし、低コスト化も実現した。

 高性能かつ誰もが操作できる装置。この裏には、代表の庄司憲祐氏が培ってきた「電機制御」の知識と技術、経験と周囲の協力者のパワーが凝縮している。

 

“ロケット開発の父”の言葉に触発された 

振誠テクニカ本社外観。

 1969年4月、庄司氏は仲間と共に東京にて起業。住宅、工場設備の電気工事に従事する日々を送っていた。そんななか、ある人物との出会いにより、電機制御の存在を知る。

 「“ロケット開発の父”と呼ばれる糸川英夫先生のお話を聞く機会があって、『これからは産業の自動化(電機制御)が進む』とおっしゃられた。私もそこに大きな可能性を感じました」

 当時、電子機器の主流はIC、トランジスタ、真空管などいわゆる「弱電」技術だったが、庄司氏は迷わず電機制御の世界に身を投じる。以来43年、さまざまな産業の「自動化」に携わり、多くの電子機器操作の簡略化、簡素化を支えてきた。

 「電機制御の世界は非常に多岐にわたり、多くの分野に関わることができました。しかしあくまで受注仕事で、いつかは自社で企画・開発したいと思っていました」

 

あらゆる医療廃棄物を処理できる体制を構築

※クリックすると拡大されます。

 2005年、他企業からの依頼により、制御装置開発者として紙おむつ処理装置の開発に関わることになった。しかしその後、話を持ち込んだ企業の経営が悪化。紆余曲折を経て、2008年より振誠テクニカが企画から開発・販売まですべて行うことになった。

 「偶然舞い込んできた紙おむつ処理装置の仕事ですが、これからの日本を考えると、大きな可能性を秘めている。自社製品として勝負してみようと思いました」

 これまで3モデル開発してきたが、今回の『Clean O-zeroⅢ』でようやく納得できる製品ができたと、庄司氏は太鼓判を押す。

 そしてこの『Clean O-zeroⅢ』をもとに、庄司氏はさらなる挑戦を目指す。

 「他の医療系廃棄物処理装置を扱う仲間と力を合わせ、低コストで安全、クリーンな形で医療系廃棄物を処理できるネットワークを構築したいと考えています」

 

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