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わが街の特職課 2016/8/20号2016年08月20日号

 
わが街の特職課

立川市 たちかわ創造舎(NPO法人アートネットワーク・ジャパン)

演目は主に児童文学の名作。観客を巻き込みながら短時間で楽しく進められていく

演目は主に児童文学の名作。観客を巻き込みながら短時間で楽しく進められていく

 「たちかわ創造舎」は、2004年に廃校となった旧立川市立多摩川小学校の校舎を利用し2015年にオープンした立川市の新たな文化芸術の拠点。地域の人々にもっと芝居を身近に感じてもらおうと「放課後シアター」の取組みが6月からスタートした。

 放課後シアターは、たちかわ創造舎のプロジェクト・パートナーである劇団「Theatre Ort(シアター・オルト)」による「よみしばい」を、平日の夕方に楽しんでもらおうという試み。

 「劇場になかなか足を運べない人でも演劇を楽しんでほしい、幼いうちから演劇にふれてほしいという思いから始めました」と話す演出家で、たちかわ創造舎のチーフ・ディレクターでもある倉迫康史さん。家事の合間や散歩の途中、学校が終わってからと、大人から子供まで気軽に訪れることができるよう、上演は平日の16時30分から。料金も大人400円、子供200円とかなり安価な設定だ。

 よみしばいとは、「読みきかせ」の気軽さと「芝居」の迫力を併せもつシアター・オルト独自の上演スタイル。台本を片手に2人~3人の俳優が、ひとりで何役も演じ分ける。

 またユニークなのが、大人が子供たちに観劇チケットをプレゼントできる「あしながチケット」というシステムを導入していること。これはカフェでコーヒーを注文する際にもう1杯分の料金を支払うと、コーヒーが飲みたくてもお金が払えない人が、そのお金でコーヒーが飲める「保留コーヒー」と同じような寄付の形。

8月26日は放課後シアターのスペシャル版。なつやすみシアター「アラジンと魔法のランプ」を19時から上演。

8月26日は放課後シアターのスペシャル版。なつやすみシアター「アラジンと魔法のランプ」を19時から上演。

 大人のみ購入可能な1000円のお得な回数券(200円×6枚)を、自分用に使うこともできるが、放課後シアターを観たい子供たちのためにも使えるというシステムだ。「少しの負担で、大人が子供たちに文化体験の機会を与えることができる」と倉迫さん。

 公演を重ねるうちにその考え方も浸透し始めており、7月29日に行われた回では、観客49人のうち16人があしながチケットを利用した。

 「ただ、よい文化や作品にふれることは必ずしも無料ではありません。誰かの厚意で無料で観劇ができているということを、子供たちに知っていてほしい。そのため、あしながチケットを利用した子供たちには、“サンクスシート”にお礼の言葉を書いてもらっています」

 日本にはまだまだ根付いていない寄付の形だが「できる限り続けていきたい」と倉迫さんは続けた。

 『ありがとう。またみるね』『楽しかったのでまた来ます』などと、感謝の言葉が書かれたサンクスシートは、たちかわ創造舎1階のカフェスペースの壁に貼り出されていた。

 この子供たちが自分が受けた善意を、将来ほかの誰かへとつなげてほしい。あしながチケットには、そんな思いが込められている。

 

●問合せ/たちかわ創造舎 TEL 042・595・6347

 

 

 

 

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