東京都交通局経営計画
「ステップアップ2010」における
都営バス車両の取り組み
東京都交通局自動車部車両課長 関根暁夫
東京都交通局では、平成22年度からの3カ年の新たな経営計画「ステップアップ2010」を策定し、本年2月に発表した。この新たな経営計画における都営バスの様々な取り組みのうち、バス車両に関するものについてご紹介する。
全車両のノンステップバス化
質の高いサービスの提供として、更新する車両の全てを最新の排出ガス規制であるポスト新長期規制(注1)に適合した低公害ノンステップバスとする。
このノンステップバスは、乗降口に段差がなく、誰もが乗り降りしやすい車両であり、また、車いす利用のお客様のために2台分のスペース、固定用金具及びスロープ板等を設置している。
都営バスではこれまでも更新車両をノンステップバスとしてきたが、計画期間の3年間では228両導入する。これにより、平成24年度中には、交通局が保有する全ての路線バスをノンステップバスにする。
ハイブリッドバスの導入継続
社会的要請への対応では、低公害車として平成19年度から導入を開始したハイブリッドバスを引き続き導入する。
ハイブリッドバスは、窒素酸化物(NOX)や粒子状物質(PM)の削減に加え、ディーゼルエンジンに電気モータを併用することで、燃料消費が抑えられるため、CO2削減の点で有利であり、省エネルギーの推進にも効果がある。
都営バスでは、平成21年度までに既に100両を導入しているが、22年度からの3年間で更に62両の導入を目指す。
エコドライブ活動の推進等
社会的要請への対応では、更にエコドライブ活動を推進していく。
エコドライブ活動は、都営バスの全車両に搭載したエコドライブ用機器を活用して、軽油消費量のきめ細かな管理や省エネ運転の浸透を図り、燃費向上に取り組むものである。
また、平成19年度から21年度までの間に、19営業所・支所の全てにおいて取得したグリーン経営認証(注2)を更新していく。エコドライブ活動は、グリーン経営認証における環境保全活動の一環でもあり、こうした活動を通じて、都営バスは引き続き環境に優しい事業運営を行っていく。
都営バスではこの他にも様々な施策の実施を計画している。詳細については東京都交通局経営計画「ステップアップ2010」をご覧いただきたい。
(注1)ポスト新長期規制排出ガス規制:「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」等を一部改正し、新車の排出ガス基準値の強化によりNOX及びPMをそれぞれ現行の新長期規制に比べ大幅に低減し、ガソリン車と同レベルの排出ガス規制を実施するもの。新型車は平成21年10月から規制適用。
(注2)グリーン経営認証:交通エコロジー・モビリティ財団が認証機関となり、一定のレベル以上の環境保全活動を行っている運輸部門の事業者に対して、審査の上、認証・登録を行う制度。