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環境
2011年2月20日号
応援します 東京 農林水産業(17)

森づくりの推進と林業の再生

森づくり推進プラン
―スギ花粉発生源対策の推進

 この時期、多くの人々が悩まされる花粉症。今春のスギ・ヒノキ科花粉総飛散量は、昨シーズンと比べ全国的に多くなると予測されている。都ではどのような対策が行われているのか、「森づくり推進プラン」(平成21年3月に改定・策定)に基づく、具体的な取り組みについて都産業労働局農林水産部森林課に話を聞いた。

(取材/細川 奈津美)

森林循環・林業再生につながる「主伐事業」

青梅市御岳の伐採現場

青梅市御岳の伐採現場。多摩の山は傾斜がきつい箇所が多い

 多摩の森林の多くは、40年~50年生前後となり、利用の時期を迎えつつあるが、長引く林業の低迷から伐採・利用・植栽・保育という森林の循環がほとんど行われていない。その結果、花粉を多くつける林齢のスギ林が増え花粉飛散量増加の一因ともなっている。

 都が平成18年度からスギ花粉発生源対策事業の一環として取り組みを始めた「主伐事業」は、スギの伐採と植え替えを行い、スギ花粉を削減するとともに、森林を循環させ林業の再生につなげる事業。都民の募金や都が出資した基金により、公益財団法人東京都農林水産振興財団が主体となって実施している。要望があったスギの立木を評価し、伐採搬出経費を差し引いた価額で買い取り、伐採跡地に花粉の少ないスギ等を植栽。30年間の保育に必要な標準的経費も財団が負担する仕組みだ。

 伐採した木材は、貯木場へ集積され「多摩産材」として都内唯一の原木市場である多摩木材センターでの月2回の市で売買される。また、建築用材に向かない木材は、紙の原料としてのチップや合板の原料になる。

青梅市御岳の伐採現場

貯木場(青梅市新町)では、丸太を一時的にストックし、質による選別と市場の需給に応じた供給量の調整等も行う

 この事業は、森林所有者には収入をもたらし、林地の管理も保障されることから、森林購入は年々増加傾向にある。しかし、「伐採」を環境破壊だと認識している人も多く、伐採現場には「なぜ木を伐っているのか」という問い合わせもあるという。都民へ森林整備のPRを行い、正しい理解を深めることも重要だ。

 

「花粉の少ない森づくり運動」で参加・協力の呼びかけ

多摩木材センターでの市の様子

多摩木材センターでの市の様子。丸太には多摩産材であることを示す刻印が打たれている

 都および財団では、主伐事業に伴い、「花粉の少ない森づくり運動」を展開し、都民や企業に花粉の少ない品種のスギ等に植え替える事業への参加・協力を呼びかけている。主な内容は次の通り。
●花粉の少ない森づくり募金/金融機関からの振込、電話募金、パスモ電子マネー募金などからスギ等の伐採と花粉の少ないスギ等への植え替え費用に充てられる。
●森づくり支援倶楽部/「花粉の少ない森づくり」を継続的にサポートする会員組織。「花粉の少ない森づくり」の普及啓発や支援活動、イベント参加等により、多摩の森への理解を深めていく。会員には多摩地域の協定施設優待利用券などを配布。
●企業の森/企業や団体がスポンサーとして植栽後10年間の森林整備費用を支援する。現在、14企業・団体が参加している。
 詳細は東京都花粉症対策本部http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/norin/kafun/sugikafun.html参照。

 

イベント

多摩産材を活用した箸づくり体験開催
日時:2月26日(土)10時30分~15時30分
定員:30名
会場:武蔵野市役所(むさしの環境フェスタ)
問合せ:産業労働局農林水産部森林課 池野谷(イケノヤ)
 TEL 03・5320・4655 内線37・520

 

 

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