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暮らし・文化
2011年3月20日号

らくがきスポーツカフェ(8)

スポーツ基本法の早急なる成立を望む

スポーツ・プロデューサー、NPO法人スポーツ見物協会 堀田 壽一

 2月中頃、小さな新聞記事が目をひいた。今まで国会で成立しなかった「スポーツ基本法」を、今春超党派の議員立法として国会提出を目指すという内容だ。

 日本のスポーツは、東京オリンピック前の1961年に制定された「スポーツ振興法」で施策されている。長年のスポーツ取材を通じて、「時代に相応しくないな」と違和感をもっていた。同法は青少年スポーツや職場スポーツなどのアマチュア・スポーツに主眼を置いている。プロスポーツが野球や相撲、ボクシングなどに限られていた時代につくられた法律では、現在のようにオリンピックにプロ選手が出場したり、サッカーやバスケットボールなどのようにスポーツがプロ化する現状に対応するには、限界があると指摘する人が多いのだ。

 記事によると、すべての人にスポーツをする機会を保障する「スポーツ権」を明記するとある。良いことだ。

 誰もが気軽に競技に参加する、各種スポーツを観戦する、スポーツ医学と健康を考えるなど、スポーツは広く意義のあるものと理解されている時代である。オリンピックでメダルを獲得する選手育成を大きな役割としない、市井の人というか、子供から高齢者、そして障害者も含めスポーツを楽しめる法律づくりであってほしい。

 スポーツが関わる省は文部科学省だけでなく厚生労働省、経済産業省、国土交通省など少なくない。スポーツ行政を円滑に進めるために、スポーツ基本法では「スポーツ庁」を新設し、横の関係を一括して扱うという。私は文化庁や環境庁が、特異分野行政を一つにしたと同じようなスポーツ行政の「庁」は、意義があると賛成している。

 石原知事は昨年7月の記者会見で、東京都のスポーツ行政を大きく変えるために、国に先駆けて「スポーツ振興局」を設置したと発表した。スポーツ国際都市東京を目指して所管部署を一元化し、スポーツ事業の円滑化を計るのだ。

 スポーツ庁の創設を法案に盛り込むべきかどうか、慎重な意見は当然だ。今の政局では議題に上る機会があるのかも危うい。だが、このままでは良くない。先見の明ある「スポーツ基本法」が超党派で成立することを期待してやまない。

 

 


<筆者紹介>

堀田 壽一(ほった じゅいち)

愛知大学経済学部卒業。NHK入局。報道カメラマンを経て、NHKスペシャル「アフリカに架ける橋」「飢餓地帯を行く」「呉清源」など幅広いジャンルでカメラマンとして活躍。スポーツも各種目を取材、スポーツ報道センターチーフプロデュサーとしてサタデースポーツ、サンデースポーツ副編集長を務める。オリンピックはリレハンメル、アトランタ、シドニー、サッカーは1998年のフランス大会を現地取材。特にJリーグは1983年から取材を続けている。1997年、NHK退職後、関連会社でスポーツ番組制作に参加。2007年からフリーランス・スポーツプロデューサー。日本トップリーグ連携機構マネージメント強化プロジェクトアドバイザー、NPO法人スポーツ見物協会会員。

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