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技術日本一
2012年7月20日号

 

NIPPON★世界一 (51)

●ネミコン株式会社
●港区新橋5―8―11 オリックス新橋ビル6F
●1969年11月設立
●従業員数 64名

ロータリーエンコーダの開発・製造・販売

ネミコン株式会社

 日本にある世界トップクラスの技術・技能―。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。
 『ロータリーエンコーダ』。この言葉だけではピンと来ないかもしれないが、その活用シーンを知れば、今日の我々の生活に欠かせない存在であることがわかる。創業時から培ってきた高い技術力は、さらなる進化を遂げ、世界に羽ばたこうとしている。

(取材/種藤 潤)

 


 エレベーターの上り下りの際のスムーズな加速、減速。工場などのラインで、一定で遮断したりスタンプしたりする位置調整。印刷機の発色のズレの補正。私たちの身の回りの機器で当たり前のようになっているこれらの状態には、実は『ロータリーエンコーダ』という制御装置の存在が不可欠である。

 ロータリーエンコーダとは、入力軸の回転の機械的変位値を、内蔵した格子円盤を基準にデジタル信号に変換、この信号を処理して位置・速度などを検出するセンサである。これをエレベーターや工場のライン、印刷機などのモーターなどと組み合わせることで、速度や位置の調整など、緻密な制御が可能になっているのである。

 

50年を超える歴史の中、国内製造にこだわる


主にエレベーターの制御に用いられるロータリーエンコーダ「38S」と「38H」。

 ネミコンは1969年創業の、ロータリーエンコーダを中心としたセンサ専業メーカーである。現在はアメリカの半導体メーカーのアバゴ・テクノロジーのグループの一員として、国内の大手電機および産業機械メーカーを中心に、製品を開発・製造し、提供している。

 「センサ専業メーカーとして、創業から最高の品質と精密、高性能かつ独創的な製品開発を追求してきました。取引先は世界に名だたる大手メーカーが中心です。そうした企業様の需要に応えることは、すなわち世界規格の技術を提供しているということになります」

 現在、同社の代表取締役を務める三島通文さんは、高い品質力を自信を持って語る。

 その技術を支えるのは、創業時から変わらない福島・白河工場での国内製造だ。今年5月には同工場でのロータリーエンコーダ累計生産台数が1000万台を達成。単独工場でのこの数字は、国内外問わず快挙であるという。

 「グローバル化に伴う製造の海外移転が進んでいる今だからこそ、我々は国内生産にこだわり、高機能、高信頼性製品の開発、製造を追求していくつもりです」

 

高い技術力だからできる製品の精密化、小形化

超小形ロータリーエンコーダ「7Sシリーズ」

 前出の通り、ロータリーエンコーダは内蔵した格子円盤を基にデジタル信号に変換されるわけだが、その円盤に刻まれるパルス(穴)が細かく数が多いほど、精密な制御が可能になる。

 一般的に、48㎜サイズの円盤では100~2000のパルス数があるそうだが、同社では最大8192のパルス数が可能だという。

 製品の小形化でも卓越した技術力を見せる。同社が製造販売する「7Sシリーズ」は外径7㎜と超小形ながら、パルス数は400まで対応可能。これによりロータリーエンコーダの活用シーンは格段に広がるという。

 「電子機器の技術力が進んだとしても、その根底となる機器の製造には結局アナログな作業と技術が必要になるのです。そこではやはり日本の緻密な技術が力を発揮します。そしてそれが我々ネミコンはもちろん、これからの日本の産業の活路だと思っています」

 国内製造にこだわりつつも、今後は核となる開発、製造を国内で行い、海外での需要が高まれば現地での製造・技術移管も視野に入れ、事業展開していく予定だという。

 

半導体も組み合わせ高品質製品に挑戦

 2009年4月にアバゴ・テクノロジーのグループに加わったことが、同社にとってさらなる追い風になっていると、三島社長は確信を持って言い切る。

白河工場で累計生産台数1000万台達成の記念式典で、鈴木和夫白河市市長と共に笑顔で応える三島社長(右)

 「ロータリーエンコーダの信号の読み取りなどにも半導体は使用されています。そうした場所に半導体メーカーであるアバゴ・テクノロジーの技術力を活かせば、さらなる高性能化、小形化が可能になります」

 昨今、日本の電機メーカーが世界市場で苦戦を強いられていることはご存知の通りである。かつて好調時は電機メーカーもロータリーエンコーダを自社で開発、製造していたが、さまざまな分野で経営効率化を進める現在は、高品質の製品を外部に求める傾向が強まっているという。そんなさらなる追い風も味方につけようとしている同社にとっては、累計生産台数1000万台の達成もまた、次なる飛躍へのひとつの通過点に過ぎないのかもしれない。

 

 

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