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生活・文化
2012年10月20日号

山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 フランス料理には地域の名称や人物名などが、そのまま付けられるものがとても多いとか。一般的に知られているもの、あるいはまだまだ知られていないフランス料理についての由来・歴史などを、ARGO総料理長の山下シェフが紹介します。

 

第7回 “お菓子”のような料理キッシュ

 最近、デパート地下の惣菜売り場でもよく見かけるキッシュについてお話します。

 キッシュ(Quiche)という言葉は、そもそもドイツ語のクーヘン(Kuchen)に由来しています。クーヘンとはお菓子のこと。パイ生地を器にして、中に卵の生地と具を詰めオーブンで焼くキッシュの形がケーキに似ていることから、「お菓子のような料理」として命名されたのでしょう。この言葉はすでに15世紀にはあったようですが、1904年にプロスペール・モンタニエなど、 当時の名料理長といわれていた人たちが『料理法』という機関誌に紹介したことがきっかけで、フランス全土に広まりました。

“お菓子”のような料理キッシュ

具材はさまざまなバリエーションが楽しまれている

 フランスでは、惣菜を専門に扱うシャルキュトリーはもちろん、パン屋、お菓子屋など、いたる店でキッシュを見かけます。家庭でも主婦が気軽に作るおもてなし料理の代表選手といえるぐらい、フランス人はキッシュが大好き。僕自身、フランス滞在中にいろいろなキッシュを見たり、食べたりしました。ベーコンとグリュイエールチーズを入れたキッシュ・ロレーヌはベーシック なものですが、ホウレンソウ、シャンピニオン(マッシュルーム)、ポワロー(西洋ネギ)、魚貝など、いろいろなバリエーションが土地ごとで楽しまれていて、地方によっては「タルト・サレ(塩味をきかせたタルト)」という呼び方をするところもあります。個人的には、滞在地でもあった南仏でのラタトゥイユ入り「タルト・プロヴァンサル」が最高に美味しかった思い出があります。

 みなさんも、好きな具材を入れてオリジナルキッシュを作ってみてください。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

タグ:キッシュ、Quiche、タルト・サレ、仏蘭西料理

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