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都政レポート
2012年12月20日号

 

局長に聞く 50
医療機能の強化を推進

病院経営本部長 塚田 祐次 氏

病院経営本部長 塚田 祐次氏

 東京都の各局が進めている事業について、局長自らが紹介する「局長に聞く」。50回目の今回は病院経営本部長の塚田祐次氏。都立病院改革がひと区切りを迎える中、これまでの成果、医療人材の確保、東日本大震災後の災害医療の対応など、都民の健康と命を守る取り組みについてお話をうかがった。

(聞き手/平田 邦彦)

高性能の医療機器を導入

―都立病院に対する都民の期待は高いものがあります。

 都立病院と保健医療公社病院の使命は、それぞれ各病院が機能を十分に発揮して都民の生命と健康を守ることです。今後、重点的に取り組まなくてはならないのは、高齢化の進行に伴う合併症対策、救急医療、周産期医療の充実です。

 そのためには、ハード面も含めた医療機能の強化、医師や看護師などの人材育成が欠かせません。また、災害医療体制の充実も重要です。

 医療機能の充実では、昨年9月には都立駒込病院が全面改修されました。がん医療の緩和ケア病棟が整備されたほか、放射線医療ではサイバーナイフ、トモセラピーといった高性能の医療機器を導入し、今年から供用開始しています。患者さんの身体への負担を軽減した放射線医療を提供できることになります。また、松沢病院では今年5月に新しい診療棟がオープンしています。

 都立病院の再編整備は節目を迎えたのですが、松沢病院の社会復帰病棟の改修が進められています。来年度のはじめには供用したいと考えています。

 墨東病院では感染症医療に対応するための病棟を整備中です。元々この病院は感染症医療を行っていましたが、今後さらに充実させるための改修を行っています。

―医療人材の不足は全国的な課題ですが、都の取り組みは。

 医師不足に対応するための人材育成システムとして、「東京医師アカデミー」を開始しました。現在は毎年100名前後の卒業生を出しています。

 22年4月からは「東京看護アカデミー」という看護師育成の取り組みを開始しています。都立病院での新卒看護師の離職率はここ数年減少していますので、こうした取り組みが功を奏したのかも知れません。

―昨年の東日本大震災では医療チームを被災地に派遣しています。

 都立病院で「東京ER」の3病院(広尾、墨東、多摩総合医療センター)から東京DMATを翌日に派遣しました。その後、医者や看護師などを医療救護班として、のべ人数で179名を3月中旬から7月初旬まで派遣しました。

 また、メンタルケアのサポートとして、精神科医などからなる「東京こころのケアチーム」を昨年3月末から今年3月までのべ239人派遣しました。

―災害医療では大きな役割を担うことと思いますが。

 東京都は地域防災計画を見直し、災害医療コーディネーターを中心とした医療救護体制の充実を目指しています。都内の12の医療圏において、地域災害拠点中核病院を指定しています。広尾・墨東・多摩総合医療センターからも、地域災害医療コーディネーターが選出され、各地域の中で災害医療を担います。都立のほとんどの病院、保健医療公社の全病院は災害拠点病院です。

 ハード対策では、多摩総合医療センターと小児総合医療センターが府中病院跡地に整備されました。ここと松沢病院の建築物は免震構造となっています。このほかの病院についても耐震化されており、松沢病院の社会復帰病棟の耐震補強が終われば、都立病院の建物は全て耐震補強が完了します。

 

災害時には衛星通信を活用

―このほかの防災対策についてお聞かせください。

 BCP(事業継続計画)を各病院ごとにまとめており、今年度中にはすべての都立病院、保健医療公社病院でまとめられる予定です。これまでは、自分の勤務する病院に向かうことを災害時の職員参集ルールの基本としていましたが、勤務先までの距離が二十キロを超える場合は、原則、自宅の最寄りの都立病院に向かうように改めています。

駒込病院に導入された医療機器の紹介パンフ

駒込病院に導入された医療機器の紹介パンフ

 災害時の通信機能確保では、衛星通信機器を昨年度末までにすべての都立病院及び保健医療公社病院、そして都庁の病院経営本部、保健医療公社の事務局に設置しました。

 帰宅困難者が都立病院に避難してくる可能性もあります。避難してくる方々の対応をどうするか、食料や飲料水の備蓄も含め難しい問題ですね。東京全体で考えなくてはならないと思います。

―最後に本部長の趣味は何ですか。

 趣味はテニスです。健康づくりのために週に1回、スクールに通っています。

 それから、手話の勉強もしています。もう10年以上になりますね。都庁内で、講座の紹介を受けたことがきっかけで、聴覚に障害のある人たちとの意思疎通を図るためにはじめました。

 手話は、世界共通ではなく、国によって異なります。国際手話もありますが、あまり使う機会はありません。話し言葉に方言があるように、手話にも方言があるんですよ。

 

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