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技術日本一
2013年2月20日号

 

NIPPON★世界一 (55)

REホールディングス(株) 全国地震予知情報

●REホールディングス株式会社
●港区港南2-15-1
●2012年設立
http://www.re-holdings.jp

全国地震予知情報

REホールディングス株式会社

 日本にある世界トップクラスの技術・技能-。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。

 東日本大震災からもうすぐ丸2年。大地震に対する防災強化の動きは依然活発であるが、その防災をより確実にする革新的な「地震予知」サービスが、2月から登場した

(取材/種藤 潤)

 


 1月3日、日本経済新聞に掲載されたコラム「地震の直前予知が実現する日(年頭仮想ルポ)」。地震予知が実用化された世の中を想定したある日、首相から国民に対して大地震予知の情報が発信。それに伴い交通機関や商業施設で混乱があったものの、その後、実際に大地震が起こり、事前に対応していたおかげで被害は最小限に食い止められた―2年前のあの日が思い出される一方で、そんな精度の高い地震予知が可能になれば、どんなに心強いだろうか、と思った人もいるだろう。

 とはいえ現状は、「何年以内に○%」というある程度幅を持たせた情報にとどまり、ルポのような実践的な情報提供はやはり不可能……と思いきや、REホールディングス株式会社の下久保会長は、まっすぐな目でこう言い切る。

 「一定の条件はありますが、極めて確実に大地震を予知することはできます」

 

1240ヵ所の地表情報を解析
過去のデータベースと照会

 REホールディングスが手がける「全国地震予知情報」サービスは、国土地理院が全国1240カ所に設置した「電子基準点」のGPS位置情報から、電子基準点の地表がどの方向に何cm動いているかを把握し、情報を解析する。そのデータと、過去15年間の大地震発生前の地表・地殻変動データベースを照らし合わせ、近々に大地震が起こりそうな可能性の高い地域を特定していくという。

REホールディングス(株)会長の下久保重義氏

REホールディングス(株)会長の下久保重義氏

 「東京工業大学大学院 総合理工学研究所の小田原修教授にご指導いただきながら、過去の地殻変動と大災害の関係性をデータベース化し検証したところ、マグニチュードが大きく、震源の浅い地震に関しては、半年から3ヶ月間に地表・地殻に大きな変動が現れることがわかり、その予兆をすべてつかむことができるようになりました」

 マグニチュードが大きく、震源が浅いということは、すなわち被害が大きい地震ということ。そうした大地震の予知を、このサービスなら1週間~4週間前までに発信することができるという。

 

まずは2013年2月より企業・自治体向けに提供

国土地理院が全国1240ヵ所に設置する「電子基準点」。この膨大なデータを解析し、地震余地につなげる
※画像をクリックすると拡大表示されます。

 この情報サービスを、まずは2月1日から企業・自治体向けに展開する。月額1万円(別途初期設定費用3万円)で限定1000社に対して、毎週金曜日に地震予知情報のレポートを配信。その後、5月からは個人ユーザー向けにスマートフォンアプリとして展開していく予定だ。

 「私の気持ちとしては、すぐにでも法人・個人問わず情報配信できればいいのですが、いきなり個人向けだといたずらな混乱を招く可能性もあるので、まずは企業・自治体を通じて、個人へも予知情報を知らせていただけるようにしようと思いました。特に地域の防災を担う自治体には、ぜひともこの情報を活用いただき、多くの人へ伝えられる体制を整えていただければうれしいです」

 

東日本大震災の予兆を察知

 この事業の背景には、東日本大震災で抱いた歯がゆい想いが強く影響しているという。

 「実は、このデータ分析により、東日本大震災の予兆は察知していたのです」

 2010年10月頃から宮城エリアにおいて通常とは異なる地殻変動を確認、某行政機関にこの情報を申し入れたが、一切発表しないように言われたという。

 「このデータが受け入れられていれば、何割かの人の命が救えたかもしれない……本当に残念でなりませんし、私たちの力不足を痛感しています。こういうことがまた起きないように、本格的に事業化しようと思ったのです」

 さらに、下久保会長の娘のひと言もこの事業を後押ししたそうだ。

 「震災直後、娘が迷いなく『今、日本人が同じ日本人を助けなくてどうするの?』と言いました。私もその言葉に共感し、可能な限り被災地に行き、力になれることを模索してきました。そして現地を知れば知るほど、事前に予知ができていれば人の命を救えたのではないか、という想いが強くなりました」

 下久保会長は、この事業は社会的使命だと断言する。 「本当は無料で提供すべきサービスだと思うのですが、膨大なデータを解析・維持するにはかなりのコストが……それをサポートしていただく意味でも、多くの企業や自治体に利用してほしいです」

 確実な地震対策、そして下久保会長の心意気への応援と考えれば、このコストは決して高くはないだろう。

 

 

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