農業と商工業が連携して新商品を開発
都内各地には、地元の人々から親しまれている特産農産物がある。近年は、農業者と商工業者が連携し、こうした特産農産物を活用して、ジャム、漬物、菓子などを開発する試みがなされている。第18号でも掲載した『農業・農地を活かしたまちづくりガイドライン』の中から、“さまざまな地場産業と連携して地域を活性化する”ことに基づいた事例を紹介する。
(取材/細川奈津美)
立川ウドを使った菓子
ウドは、独特な香りと食感が素晴らしい日本原産の野菜。立川市の「軟化ウド」は日本一の産地だが、地元でもあまり知られていなかった。
株式会社長井製菓(武蔵野菓子舗 花奴)では菓子作りの研究過程で、ウドの根からうど特有の芳香な香りが茎部分よりも強く感じられることに着目。ウド根を活用した菓子製造事業を立ち上げ、「地域産業資源活用事業計画」認定事業として経済産業省関東経済産業局・関東農政局から平成20年12月16日に認定され、国からの支援を受けながら、ウドの根を菓子に取り入れる研究を続けてきた。
その結果、独自に開発した特殊技術で加工することで「TOKYO UDO SWEETS FACTRY」というブランドとして製品化することに成功。『東京うどら』『東京うど生サブレ』として販売している。
また立川商工会議所と観光協会が立川の観光事業の発展とイメージアップに役立てることを目的として、推奨品を認定。ウドを使ったパイや羊羹のほかに、ビールやお茶、梅酒などが認定されている。
市内の農業と商工業、サービス業等が連携して、ウドの商品開発に取り組むことで、地場産業が活性化し、伝統のウド栽培が引き継がれ、市民の郷土愛が育まれるなど、地域に大きな活力が生まれている。
小平ブルーベリー協議会が発足
小平市は都心に近く、ベッドタウン化が進み産業の空洞化が懸念される現状にあるが、幸いにも日本で初めてブルーベリー栽培が行われた地であり、生産量も多い。
また、「日本の歩きたくなる道500選」に選ばれたグリーンロードがあり、ブルーベリーとあわせて複合的な集客資源となりうるとして、昨年『小平ブルーベリー協議会』を設立。ブルーベリーの現状分析、ブランド構築などを行うなかで、農業者・商工業者のネットワーク化を進め、市内産業の活性化を図るとともに、小平市の町おこしの輪を広げ、魅力ある地域として発展していくことを目指している。今年中には第1号商品が完成の予定。
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