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第20回 魚の目利き2013年11月20日号

 
山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 

魚の目利き

 今回は、スーパーや百貨店でよく見かける冬の魚の目利きについてお話しします。少しでも知識をつけて、買い物に行かれると楽しいと思います。

マダイの天然(手前)と養殖。天然のほうが大きくきれいな尾をしているのがわかる

【1. マダイ】

 魚の中でも比較的わかりやすいのがマダイ。マダイは養殖の流通量が全体の6割以上と言われています。天然物と養殖物の明らかな違いは、色。特に尾の色がまったく違います。天然は赤の色が濃く尾びれに傷もなく、きれいな三角形をしていますが、養殖のタイの尾は黒ずんでいて、狭いいけすの中で育てられているので尾がかなり傷ついています。赤やピンクが鮮明な鯛を選ぶとよいでしょう。

【2. カレイ】

 カレイはマガレイ・マコガレイ・メイタガレイ、超高級なホシガレイなど種類が多く、実際に何カレイを買ってきて食べているのか、わからない人も多いのではないでしょうか。マガレイとマコガレイは、よく似ていますが、メイタガレイは横に広く、目が突き出しています。ホシガレイの大半は高級料亭に流れてしまうので、スーパーなどで見ることはめったにないと思います。カレイには、黒い表面と白い裏面がありますが、注目してほしいのは白い面。きれいな白色(純白)のものが新鮮な証で、古くなると白色がどんよりとしてきます。

【3. サバ】

 サバは、アジやイワシと並んで青魚の代表的な魚です。家庭で調理される方も多いと思います。市場には、主にマサバ・ゴマサバ・ニシマサバの3種類が出回っていて、一般的にサバといえばマサバを指します。サバは本当に傷みやすい魚なので、新鮮な物を選ぶようにしてください。

 まず、ゴマサバは、マサバと違って腹の部分に黒い斑点がたくさんあります。ニシマサバは、ほとんどがノルウェー産で冷凍か切り身になって売られていることが多いです。マサバは他の2種類より目が若干小さく、背の紋が黒くはっきりしています。新鮮なサバを選ぶコツは、なんと言っても腹を見ること。腹の銀色の部分が光り輝いていて、目が透明で澄んでいるものを選んでください。目が赤いのは鮮度が落ちている証拠です。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

 

 

タグ:フランス料理 山下敦司

 

 

 

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