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第21回 フランスの郷土料理2013年12月20日号

 
山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 

フランスの郷土料理

 東京なら深川めし、北海道なら三平汁など、日本には名が知られた郷土料理がありますが、食べたことも聞いたこともないものもたくさんあります。私も先日、現地の生産者と交流するために島原(長崎県)に行き、具雑煮、六兵衛、がんば、寒ざらしなどを初めて食べましたが、どれも素朴で大変美味しかったです。 今回は美味しくて個性あふれるフランスの郷土料理をいくつか紹介したいと思います。

【ホロホロ鳥のヴァレ・ドージュ風/ノルマンディー地方】

 日本人の観光客にも人気のモンサンミッシェルがある、ノルマンディー地方は、フランスでは珍しくブドウが栽培されていません。そのかわりに、リンゴの名産地なのでリンゴのお酒のシードルやカルヴァドスを使った料理がいくつかあります。有名なのは、これらのお酒でホロホロ鳥やニワトリを煮込んだシチューのような料理です。甘酸っぱくて日本人好みの味だと思います。

【シュークルート/アルザス地方】

 ドイツ色の強いアルザス地方は、豚肉やソーセージなどをよく食べます。シュークルートとは、ドイツ語ではザウアークラウトと言って、塩漬けにして発酵させたキャベツのことです。豚肉やソーセージを煮込んで、ジャガイモ、キャベツと一緒に食べる、日本で言えばおでんといったところでしょうか。

【牛肉の赤ワイン煮込み、エスカルゴのブルゴーニュ風/ブルゴーニュ地方】

 フランスを代表するワインの産地、ブルゴーニュ。フランス人なら誰でも知っているというくらい、牛肉を赤ワインで煮込んだ郷土料理が有名です。厳密に言えば、牛肉を赤ワイン・香味野菜とでマリネした後に、柔らかくなるまで長時間煮込んでいきます。付け合わせにはマッシュルーム、ベーコンのソテー、小玉ねぎ、クルトンなどを添えます。そしてもう一つ有名なのが、エスカルゴのブルゴーニュ風。バターにニンニク、パセリ、エシャロットを練り込みオーブンで焼くと本当に美味しくて一度食べるとやみつきになる味です。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

 

 

タグ:フランス料理 山下敦司

 

 

 

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