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第23回 世界の三大珍味『トリュフ』2014年02月20日号

 
山下敦司シェフのフランス料理美食のススメ

 

世界の三大珍味『トリュフ』

 今回は、キャビア・フォアグラと並んで世界三大珍味と言われているトリュフについてお話します。

 トリュフとは、簡単に言ってしまえば地下生キノコの総称です。地中に埋まっているため、なかなか発見できません。では、どのように見つけるのでしょう。

 トリュフの香りは雄の豚が交尾期に分泌するフェロモンの匂いに似ていると言われています。トリュフは石灰岩土壌の広葉樹(カシ・ナラなど)の根に寄生するので、そこに雌の豚を連れていくとトリュフのある場所を発見し掘り出してくれるのです。ただし、豚はせっかく見つけたトリュフを食べてしまうので、近年ではトリュフ探しの訓練を受けた犬を使うようです。

日本のどこかにも『黒いダイヤ』が自生している!?

 トリュフは全世界で約30種類あると言われ、そのうち約10種類が食用として市場に出回っています。なかでも最高級のトリュフと言えば「黒いダイヤ」と称されるペリゴール産のトリュフ。ペリゴールはフォアグラの産地としても有名です。このフォアグラのポワレ(焼く)を牛肉の上にのせて、マデラ酒ベースのソースにトリュフをたくさん入れたソースペリグーをかけた『トゥルヌド・ロッシーニ(牛フィレ肉のロッシーニ風)』は日本でも人気の高い料理です。

 ペリゴール産トリュフの数倍の値で取り引きされているものがあります。それは北イタリア・ピエモンテ州の白トリュフです。実際に香りもとても強く、手に取るといつまでも香りが残っているほど。2007年にトスカーナ地方で落札された重さ1・5㎏の巨大な白トリュフの価格は、なんと3600万円でした。

 さて、そんなトリュフも今では中国の雲南省が世界一の黒トリュフ生産地となっています。フランス産に比べて、香りも落ちますし型もまばらですが、値が安いのでヨーロッパのシェフ達も最近は使う人が多いようです。

 実は近年、日本でもトリュフ発見のニュースが報じられています。もちろんフランス産のトリュフとは種類が異なり、型・香りなども劣るらしいですが、もしかしたら日本のどこかにフランスやイタリアに負けないぐらいのすばらしいトリュフが自生しているのかもしれません。

 


<山下敦司プロフィール>

フレンチレストラン「アルゴ」(千代田区麹町)総料理長。
服部栄養専門学校卒業後、銀座「フランス料理清月堂」、大阪欧風菓子「ケンテル」を経て、1995年渡仏。
エクス・アン・プロヴァンス「ル・クロー・ドゥ・ラ・ヴィオレット」(ミシュラン二ツ星)、パリ「ル・ディヴェレック」(二ツ星)、アヌシー「オー ベルジュ・ド・レリダン」(三ツ星)、ロアンヌ「トロワグロ」(三ツ星)、パリ「ピエール・ガニェール」(三ツ星)と数々の名店で部門シェフを務め、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積む。
2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により「ル・コルドン・ブルー・パリ」にて6年半、料理講座教授。

 

 

 

 

タグ:フランス料理 山下敦司

 

 

 

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