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局長に聞く1082017年11月20日号

 
都民・東京を水で支える

水道局長 中嶋 正宏氏氏

水道局長 中嶋 正宏氏

 東京都の各局が行う事業について、局長自らが説明する「局長に聞く」。今回は水道局長の中嶋正宏氏。都民生活の根幹を支える重要な水について、水源確保の大切さ、「安全でおいしい水」の取組、水道局の国際展開などについてお話を伺った。

(聞き手/平田 邦彦)

水源地の重要性を周知へ

—水道局長に着任されて3ヶ月経過しました。これまでの印象は。

 「水道事業」というひとつの事業(もちろん工業用水道事業もあるが)に向け、局の職員が一丸となって取り組んでいる姿に、団結力や職員の責任感・使命感を感じています。

 また、1898年の近代水道創設以来、来年で120年という歴史があります。その間に培われてきた技術力等に裏打ちされた、しっかりと根を張った事業運営を行っています。

 古来、水は人類発展の基本であり、世界四大文明も大河の流域に発生したように、現代においても水道は人の命に直結する重要なものであることは言うまでもありません。

 この3ヶ月の間、水道水源林や浄水場、給水所など様々な現場を見るとともに、危機管理の訓練や実際の事故対応などを経験する中で、まさに都民・東京を支えている局だと実感しています。

—水道水源林を背後に抱える小河内ダムが今月、竣工60周年を迎えたと聞きました。東京水道の源である多摩川の水源に関する取組は。

 まず水道水源林に関しては、今年3月、「民有林の積極的購入」や「多様な主体と連携した森づくり」を中心とした「みんなでつくる水源の森実施計画」を策定しました。「多様な主体と連携した森づくり」に関しては、水道水源林の一部にネーミングライツを導入し、今年6月に6つの企業と協定を交わしています。先日はその企業に社員の教育の一環として、木の間伐や手入れなどを行っていただきましたが、企業側からも好評でした。

 次に、小河内ダムを含む多摩川水系は、東京都の水源の約2割を占める独自の貴重な水源です。

 小河内ダムは水道専用としては国内最大級のダムですが、戦火により建設工事の一時中止を余儀なくされたり、そもそも建設当時はダム建設の参考となる知見が国内に少なく、米国のダムに関する文献を原書で読むなど、建設には多くの困難を伴ったと聞いています。

 先人達の苦労と、そして地元自治体のご理解・ご協力があって完成した小河内ダムが還暦を迎えたというのは大きな節目だと認識しています。これを機に水源地や水源保全の重要性について、これまで以上に都民の皆さまに知っていただきたいと考えています。

—「安全でおいしい水」に向けた取組は。

 従来から多摩川水系の原水の水質は比較的良好ですが、利根川水系については、高度経済成長期の急速な人口増加や、それによる生活排水の影響などにより、原水となる河川の水質が悪化し、特に東部の金町浄水場などにおいて、「かび臭い」といった苦情が多く発生しました。

 当局では、平成元年の工事開始から四半世紀かけ、平成25年度に利根川水系の全ての浄水場で高度浄水処理の仕組みの導入を完了しました。この処理は凝集沈殿と急速ろ過の間に、オゾン処理と生物活性炭処理を組み込んだものです。これにより、においなどの原因となる物質を取り除き、安全でおいしい水が作られるのです。

 実は毎年、局のイベントなどにおいて、蛇口から汲んだ水道水と市販のミネラルウォーターとの飲み比べを数万人規模で実施しましたが、半数以上の方が「水道水の方がおいしい」、あるいは「どちらもおいしい」と言ってくださっています。

 ボトル水と遜色ない程のおいしい水であると自負しており、ぜひお客様にももっと飲んでほしいですね。

 

高い水道技術を国際展開

—東京の高い水道技術を活かし、国際展開を進めていますね。

 当局の世界トップレベルの漏水防止技術を活用し、無収水(漏水や盗水など料金収入に結びつかない水)を削減する事業を、ミャンマー最大の都市ヤンゴンで平成26年度に実施し、大きな成果をあげました。昨年度からは、同じヤンゴンで対象エリアを大幅に拡大して実施しています。地方自治体が海外で行う無収水対策事業としては過去最大規模の約18億円(国の無償資金協力)で実施中です。

—来年9月には国際水協会の世界会議・展示会が初めて東京で開催されます。

 この会議は水に関する知見や技術が世界中から集結する、大規模かつ有意義な会議です。9月には国際水協会の会長が来日し、小池知事と面会し会議に向けた期待を表明しました。

 また、2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックも、東京の水道のレベルの高さを都民だけでなく世界にアピールできる絶好の機会と捉えています。

 当局としては、開催国委員会の中心として開催の準備に局を挙げて取り組み、ぜひとも成功させたいですね。

—水道局長として大切にしていることは。

 私は局長ではありますが、この8月に初めて水道局に来た、一番の素人です。自分よりはるかに水道を熟知している職員を信頼し、その能力を最大限発揮してもらうことが重要だと思っています。

 職員が、120年の歴史を持つ東京水道を質・量ともに守り、時代の変化にも対応し、さらに次世代にも引き継いでいける環境を作ることが、局長である自分の役割だと認識しています。

 

  
 

 

 

タグ:東京都 水道局

 

 

 

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