HOME » トップインタビュー一覧 » トップインタビュー Vol.122 株式会社東京アスレティッククラブ代表取締役会長 正村 孝司さん

1 The Face トップインタビュー2018年02月20日号

 
株式会社東京アスレティッククラブ代表取締役会長 正村 孝司さんさん
心と身体が健康で有意義な人生を送ることが、地球に生まれた者のこの上ない喜びである。

株式会社東京アスレティッククラブ代表取締役会長 正村 孝司さん

 健康と運動のためにお金を払うという発想がまだない1970年、日本で最初の会員制総合型スポーツクラブを創業。肉体的な健康、社会的な健康、精神的な健康、情緒的な健康の4つの健康を柱に、0歳から100歳までを対象に「健康づくり」を提供している、東京アスレティッククラブ代表取締役会長、正村孝司さんにお話しをうかがった。

(インタビュー/津久井 美智江)

母親と通った教会の日曜学校が、クラブ設立の根底にある博愛精神を育む。

—1970年に会員制の総合スポーツクラブを設立されたそうですが、運動するためにお金を払うという発想のない当時に、会員制のクラブをつくろうと思われたのはなぜですか。

正村 当時、日本は高度経済成長の真っただ中にあり、国民の生活もだんだん豊かになって、余暇を楽しむ経済的・時間的な余裕が出てきました。また、モータリゼーションの発展もあり、歩く機会が減って運動不足になり、健康増進のための運動が注目されるようになっていたんですね。

 私は、「人の健康とは?」ということを考えるようになり、肉体的な健康=フィジカル・フィットネス、社会的な健康=ソーシャル・フィットネス、精神的な健康=メンタル・フィットネス、情緒的な健康=エモーショナル・フィットネスの4つの健康が揃って初めて「健康」と言えるのではないか、と思い至りました。

東京アスレティッククラブの外観

中野駅から徒歩3分ほどのところにある東京アスレティッククラブ本館

 そこで、この4つのフィットネスを、誰でもいつでも実践できる場所を提供しようと、スポーツクラブの創業を決めました。

—単に運動するだけの場ではないのですね。

正村 創業当初から「クラブ」としてのコミュニティを形成しながら、社交の場となるような「会員制」を導入しようと考えていました。その根底には、乳幼児から高齢者まで、心と身体の健康づくりを継続して有意義な人生を送ること、この地球という恵まれた星に生まれたすべての動植物が繁栄することが、この上ない喜びであるという博愛の精神があります。

 それを皆さんに普及したい。自ら経験してもらって、いろいろな人々にも波及できるような社会がつくれればと思っています。

—博愛の精神ですか。それは小さい頃の教育と言いますか、環境が影響しているのでしょうか。

正村 私の母がクリスチャンだったんです。幼い時から母親と一緒に教会の日曜学校へ行って、そこでいろんな教育を受けたことが基礎になっているのではないかと思いますね。

 私は能登半島の輪島で生まれました。袖ヶ浜というきれいな砂浜があってね、そこで夏は泳ぐ。冬は私の小さい頃はものすごく大雪が降って……。そういう四季に恵まれた自然の中で育ちました。それが原点ですね。

 輪島中学の水泳部に入って、早稲田高等学院、早稲田大学の水泳部を卒業して(笑)。

 大学の水泳部というのは、アウトドアの50mのプールですから、シーズン中はプールで水泳をしますが、冬はラグビーや筋力トレーニング、ランニングだったんですね。この時の経験から、これらのメニューがコンパクトに設定できたらと思い、今の東京アスレティッククラブ(TAC)の建物はつくりました。

 私どもの健康づくりのノウハウを提供してほしいと、各自治体の健康施設運営受託もやっていて、かなり広がってきています。

 

施設に通えなくなった方のために、運動特化型デイサービスを開始。

—東京アスレティッククラブはどんな構造なのですか。

正村 1階は25mのプールが7コースと、水深5mの専用浮具を着用し浮きながら水中運動を行うエクササイズ用のプール、水深15mの潜水用プール、アクアケアという少し水温が高い20mのプールが4コース。2階はフロントと脱衣室。3階はクラブルーム。4階は筋力トレーニングのジムと、5階はプレイイングフロアと称する、体操、トランポリン、新体操など一般の体操ができるフロア。そしてアウトドアに1周100mのウォーキングコースとランニングコースを2コースつくりました。

 これが地域社会に受けましてね。1973年にはスポーツを中心とした幼児教育施設「タックチャイルドクラブ」をつくりました。この幼稚園は毎日、水泳や体操等の運動を東京アスレティッククラブの施設を使って行います。それから野菜などを栽培する畑や、野外で運動ができるような野外施設もあり、毎年多くの入園希望をいただいております。

 それで、2015年には中野区の認可事業として保育園も開園しました。

—幼児教育に着目されたきっかけは? 

正村 誰でも健康のために運動をしたほうが良いことは知っています。しかし、生涯スポーツを実践する上で、大人になってから急に運動を始めようとしてもなかなか習慣にはなりません。

 創業当初から運動プログラムや食事療法についてご教示をいただいていた元早稲田大学名誉教授・故鈴木正成先生の勧めもあり、幼児期から運動を習慣化するためにチャイルドクラブをつくることにしたんです。

—2010年には介護保険適用の運動特化型のデイサービス「フィットネスデイ リスポ」を設立されました。高齢化の問題についても初めから念頭に置かれていたのですか。

正村 今年創業48周年を迎えますが、お蔭さまでこの間本当に多くの会員の方に利用していただいています。創業当時からの会員の方もまだまだ通われています。

TAC 平成29年度会員総会

平成29年度会員総会で講演

 しかしながら、高齢になり、施設に通いたくても通えない方も多くなっています。先程お話ししたようにエモーショナル・フィットネスで仲間作りができていますから、運動はできないけれど仲間に会いたい、という理由で施設に来館される方も多いんですね。

 1989年に当時の厚生省から健康増進施設の1号店として認定いただき、現在に至っておりますが、これまで培ってきた運動プログラムのノウハウを、施設に通えなくなった方々のために提供できないかと考え、介護保険を適用した運動特化型のデイサービスを始めることにしました。介護保険ですと送迎がつきますし、受益者が1割負担ですから、TACの会員権は保持しつつ、安価な国の制度に則って施設を提供できますからね。 実際、中野区にある2つのデイサービス施設には、もともと東京アスレティッククラブに通っていただいていた会員もたくさん参加していますよ。

 高齢者の方がバリアフリーのプールで水中ウォーキングしているうちにだんだん歩けるようになったり、改善が進んだりと、皆さんに喜んでいただいています。これからはプリべンティブ・メディシン=予防医学を前提にしたスポーツ施設やソフトが大事になっていくでしょうね。

 

せっかくいただいた命、150歳くらいまでは生きたい。

—今年87歳になられるそうですが、お元気ですねぇ。

正村 耳は遠くなりましたが、後は大丈夫です。白内障もないですし、虫歯もないですよ。全部自分の歯です。

 せっかくいただいた命ですからね、125歳と言わず、私は150歳くらいまでは生きたいと思っています。

—健康で長生きするためにやっていらっしゃることはありますか。

正村 やはり規則正しい生活でしょうね。朝は夜明けとともに4時から5時頃に起き、夜は7時から8時頃にはベッドに入ります。テレビは見ません。

 そして朝食は、主に豆類やじゃがいもなどからのタンパク、それに葉物野菜。動物性タンパクはとりません。昼は近くのレストランでお魚、鯛のカマとかね、いろんな魚の身を食べる。夕食もだいたい魚。そういう食生活です。

TAC 20年以上前から毎朝2000m泳いでいる

20年以上前から毎朝2000m泳いでいる

—お酒は召し上がらないんですか。

正村 一切口にしません。

—たばこももちろんですよね。

正村 もちろん(笑)。

—運動はされているんですか。

正村 毎朝2000m泳いでいます。

—えー! 2000mも!!

正村 背泳で1000m、クロールで1000m。背泳は上を向いて泳ぎますから腕と腹筋が強くなる。クロールはうつ伏せになって泳ぎますから背筋が強くなるんですね。

 そして土日はウォーキング。約2㎞歩いています。東京アスレティッククラブのランニングトラックが一周100mですから20周。雨の日はウォーキングマシンで2㎞。

(スタッフ) これは本当の話で、この2、3年のことではなくて、もう20年以上続けています。

—すごい。間違いなく150歳までお元気でいられそうですね。

正村 せっかく自分が考えてつくった施設ですから、自ら率先してやっていかないとね。

—他に健康法はありますか。

正村 バランスの良い食事、継続的な運動、十分な休養、そして何よりストレスをためないことです。

 先ほどテレビは見ないと言いましたが、新聞を読んだり本を読んだりして、新しい知識を取り込むことは大事だと思います。そして何よりは、会員の皆さまとふれあい、笑顔で過ごすことですね。

—今、健康寿命が叫ばれていますが、そうしたムーヴメントに対してご意見があればお聞かせください。

正村 私は「心と身体の健康づくり」をテーマとしてスポーツクラブの運営を行ってまいりました。

 東京アスレティッククラブでは、運動だけでなく、栄養相談や心の健康を促すためのプログラムとして、会員向けに年に数回、運動・文化・芸術・医療など様々な分野のプロフェッショナルな方をゲストに招き、講演会や体験会を実施しています。常に学びのある有意義なプログラムに仲間と一緒に参加することで、心の健康づくりにもつながると考えているからです。健康長寿への取り組みは、ムーヴメントではなく、創業当初より私たちが提供しているサービスなんですね。

(スタッフ) もう一つ私からよろしいですか。

 人類の最高年齢は120歳くらいなんですね。会長は150歳くらいまで生きたいと言いましたが、125歳までは必ず生きる、日本に初めて健康長寿を延伸させるクラブをつくった人間として、身をもって証明する、と言っています。125歳の時に、ぜひまたインタビューをお願いいたします。

—ぜひ! でも私が生きていますでしょうか(笑)。

 

株式会社東京アスレティッククラブ代表取締役会長 正村 孝司さんさん

撮影/木村 佳代子

<プロフィール>
まさむら たかし
昭和6年石川県生まれ。29年早稲田大学第一商学部卒業、山一証券株式会社入社。39年山一証券退社、立石電機(現オムロン)株式会社入社。42年立石電機退社、タックコンサルタント株式会社創設。44年株式会社東京アスレティッククラブ創設。日本スイミングクラブ厚生年金基金理事長、(社)日本スイミングクラブ協会会長、(財)日本健康スポーツ連盟理事等を歴任。(公財)日本水泳連盟参与

 

 

 

 

タグ:東京アスレティッククラブ 中野 

 

 

 

定期購読のご案内

NEWS TOKYOでは、あなたの街のイベントや情報を募集しております。お気軽に編集部宛リリースをお送りください。皆様からの情報をお待ちしております。

都政新聞株式会社 編集室
東京都新宿区早稲田鶴巻町308-3-101
TEL 03-5155-9215  FAX 03-5155-9217
一般社団法人日本地方新聞協会正会員