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来年度予算審議が本格化2018年03月20日号

 

 都議会第1回定例会は13日から予算特別委員会を開催、東京都の来年度予算案に対する質疑を本格化させた。13日の予算特別委員会で質疑に立ったのは伊藤ゆう(都民ファ)、橘正剛(公明)、山﨑一輝(自民)、曽根はじめ(共産)、西沢けいた(民進・立憲)の5氏。小池都政にエールを贈る都民ファースト、淡々とした質疑で実績を重ねる公明、小池知事との対決姿勢を鮮明にする自民、各党がそれぞれの立場でオリンピック・パラリンピック大会、防災、福祉施策、市場移転問題などを取り上げた。来年度予算案は今後、各常任委員会での審査、予算特別委員会での締めくくり総括質疑、討論・採決を経て、29日の最終本会議で議決される。

知事、待機児童対策に決意

〈都民ファーストの会〉

予算特別委員会

 来年度予算案が議会に発表される前に、都が特定の団体に知事査定の内容を事前通知したことに対し、自民は議会軽視だと批判している。これについて都民ファーストの会の伊藤氏からその真意を質された小池知事は「予算案発表に至るまでの予算編成プロセスのひとつ。より良い予算づくりを行うための重要なプロセスだ」と、批判をかわした。

 来年度予算案には待機児童対策として、ベビーシッター利用支援事業が50億円計上された。事業への決意について小池知事は「ベビーシッターを利用する保護者を支援する新たな取り組みであり、ベビーシッターの質と量を確保し待機児童解消に全力で取り組む」と意気込みを語った。

〈公明党〉

 都は今年度から精神障害者と知的障害者の採用選考を開始したが、知的障害者の合格者はいなかった。公明の橘氏は新たな雇用の枠組みを講じるべきと提言、多羅尾総務局長は「知的障害者を対象に、各種主務事務や軽作業を行う非常勤職員であるオフィスサポーターを雇用することとし、選考手続きを進めている」と答弁、一般就労としての雇用を開始することとしている。

 旧優生保護法の下で強制的な不妊手術が行われた問題について、東京都として都内の実態を把握すべきとの訴えに対し、小池知事は「これは大きな人権侵害だ。都が現在確認できる記録は不妊手術の件数のみだ。他に関連する文書がないか改めて調査するよう関係局に指示している」と答弁、実態把握に努める姿勢を見せた。

〈自民党〉

予算特別委員会 答弁に臨む小池知事(13日)

 小池知事は都政改革を推進してきた顧問を3月末で廃止することを表明したが、自民の山﨑氏は「我々はこれまでも顧問偏重の都政運営に対し警鐘を鳴らし続けてきた。我が党をはじめとする批判を受けてのことなのか」と質した。小池知事は「職員に改革マインドが進行していることを確認しており、4月からは職員主体の体制として引き続き、不断の改革に取り組む」と答弁している。山﨑氏は「今回の見直しが後戻りすることのないよう、議会としてしっかりチェックしたい」と発言、小池知事への警戒を緩めなかった。

 豊洲市場は今年10月11日に開場が予定されているが、山﨑氏は、国に市場の認可申請をする前に安全宣言を出す考えなのかを質した。小池知事は「今後、追加対策工事完了後の専門家会議の確認や農林水産大臣への認可手続きを進めるなどのステップを着実に進めそれらを発信することが、食の安全・安心について都民の理解を得るために必要と考える」と述べるに留めた。

 

予算編成の公表内容を検討へ

〈共産党〉

 共産の曽根氏は、岸記念体育会館が都有地に移転し、都が跡地の購入費など123億円を計上していることについて触れた。

 会館の移転に関して都はこれまで、2015年に要望を受けたとしていたが、この第1回定例会で都は、2012年に会館に対して移転の提案を行っていたと答弁している。曽根氏は答弁の撤回・謝罪を求めたが、見東京都技監は「虚偽答弁には当たらないと考えるが、説明に丁寧さを欠いた部分があったと受け止めている」と応じなかった。

 曽根氏はさらに、会館の移転に関し政治家が関与しているとして、森喜朗元首相(元日本体育協会会長)らの参考人招致を求めた。

〈民進・立憲〉

 民進・立憲の西沢氏は、予算編成過程のあり方について取り上げた。透明性の確保などの観点から、都庁全体で公開ルールの統一化を図るべきと提案、これについて武市財務局長は「平成29年度予算編成から、各局の予算要求状況を財務局ホームページで公表しているが、指摘を踏まえ、都民に理解を深めていただけるよう、公表内容などについて検討を行う」と答弁した。

 受動喫煙防止で西沢氏は「知事はこれまでスモークフリーと言ってきたが、受動喫煙をなくす、受動喫煙ゼロとは言っていないように思う」と指摘、「知事の言うスモークフリーは受動喫煙ゼロで間違いないか」と質した。小池知事は「スモークフリーとは、屋内における受動喫煙がない環境と認識している」と答弁、現在改定中のがん対策推進計画では「受動喫煙をなくすことを目標のひとつに位置付けている」とした。

 

 

 

 

タグ:東京都予算案 待機児童対策 岸記念体育会館 受動喫煙

 

 

 

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