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局長に聞く115 下水道局長2018年07月20日号

 
「経営計画2016」を着実に実施

下水道局長 小山 哲司氏氏

下水道局長 小山 哲司氏

 東京都の各局が行う事業を局長自らが紹介する「局長に聞く」。今回は下水道局長の小山哲司氏。「経営計画2016」に基づいた取り組み、世界的にも優れた東京の下水道技術への思いなどを語って頂いた。

(聞き手/平田 邦彦)

下水道は前回五輪のレガシー

—現在、下水道局が進めている事業の具体的な内容は。

 下水道局は、平成28年度から32年度までの事業運営の指針として「経営計画2016」を策定しています。この中で老朽化施設の再構築、浸水対策、震災対策など今後5年間かけて実施することをお客さまに約束しています。経営計画は、計画期間において、これだけの事業に取り組みますということを都民に説明し、責任を持って事業を進めていくためのものです。

 その中身は、安全・安心に関する分野、環境に関する分野などに分けられますが、環境については、高度処理や再生可能エネルギーの活用、地球温暖化対策などがあります。

 下水の処理には大きなエネルギーが必要になっています。微生物を使って汚水を浄化するために大量の空気を吹きこむ必要があり、その際、膨大な電力が使われています。

 水処理の際に発生する汚泥は埋立処分しますが、埋立地には限りがありますから、汚泥を焼却して、減量化しています。その際にもエネルギーが必要です。下水処理の過程で使用されるエネルギーを減らす、また、再利用することが大きな柱です。

—経営計画2016であげられている合流式下水道の改善は。

 合流式下水道の仕組みを生かしながら、大雨の際に、そこから溢れてしまう下水を分流式下水道並みの汚濁負荷量にしようというのが、現在のやり方です。下水道全体を分流式に替えるとなると、もう1本の下水道管を隈なく設置しなければなりません。また宅地内やビルの敷地内でも汚水管と雨水管の2本に分ける必要が出てきます。これは中々難しいのではないでしょうか。

 このことを踏まえ、合流式下水道であっても、流れ出る汚濁負荷量は分流並みにという方針で進めています。

 海外の都市を見てもパリやロンドンでは合流式となっています。東京の下水道の源は、ロンドンの下水道です。合流式をベースに改良を加えていくというのが現在のやり方です。

—事業を推進する上での課題はありますか。

 下水道はどのような都市においても必要不可欠なインフラです。私は昭和57年に入都し下水道局に配属されました。当時の下水道普及率は76%でしたが、昭和39年の東京オリンピックの頃は30%台でした。そう考えると、下水道は前回のオリンピックのレガシーのひとつだったと私は思っています。

 その後、平成6年度末には区部において普及が概成しています。下水道の普及を目の当たりにしている方々は、トイレの水洗化やドブが消えてきれいな道路になったことなど、整備によるメリットを実感しています。

 こうした方々が高齢化していく一方、平成6年以降に生まれた方は下水道施設はあって当たり前であり、雨が降っても水が溢れないことを当然と思っています。平成6年以降に生まれた都民は全体の2割ほどを占めており、今後も増えていきます。

 一方、下水道は平成6年以前に整備された下水道管や施設が多くあります。これらの施設は老朽化していきますから、今後、改築または更新することになります。その時、お客さまにその必要性をご理解いただけるかという問題が出てきます。

 工事は長年にわたるケースもありますし、騒音や振動が出てしまうこともあります。

 そうした場面で、お客さまのご理解やご協力をお願いすることは今後増えていくだろうと思います。

 

現場で鍛えられた東京下水道

—下水道はあって当たり前で、その恩恵について実感がないのでしょう。

 下水道の改築・更新をする上で、お客さまとのコミュニケーションは欠かせませんので、今後、下水道の「見せる化」の取り組みが重要になってくると思います。

 これまでは下水道施設を公開し、訪れたお客さまに施設を見学していただいていましたが、今後、さらに積極的に公開しようということで「見せる化」を推進します。街に出て行って、下水道の役割を周知します。

 「開く」「伝える」「魅せる」という3つのキーワードで、「開く」は施設の内部やそこで働く職員を紹介し、「伝える」は、そこでどのような業務を行っているのかを紹介し、「魅せる」では、お客さまに興味を持ってもらえるようにする—というものです。

—9月には国際水協会の世界会議・展示会が東京で開催されます。東京下水道の優れた技術を世界に紹介するチャンスですね。

 東京の下水道技術の源はロンドンから輸入したものですが、下水道を普及させていく過程において、現場で鍛えられたものになっています。今では世界最先端と言っても過言ではありません。

 大陸のように土地が広い、大らかな事業環境ではなく、日本は建物が密集し道も狭く、地下には他のインフラが埋まっています。しかし、そこに下水道管を入れていく、狭い敷地でもポンプ所や水再生センターを整備するなど、事業環境は厳しいです。そうした中での普及や水処理には、技術革新が欠かせません。現場からの発想で課題を解決しながら進化していくのが東京の下水道です。

 

 

 

 

タグ:東京都 下水道局長 経営計画2016

 

 

 

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