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受動喫煙防止条例が可決2018年07月20日号

国より厳しく飲食店は原則禁煙に

 

 都議会第2回定例会は6月27日、最大の焦点となっていた「受動喫煙防止条例案」を賛成多数で可決、閉会した。2020年東京大会に向け、「スモークフリー」社会を目指すとしている小池知事にとって、国の健康増進法改正案よりも厳しい規制とした同条例の成立は「健康ファースト」をアピールする上でも最大の目玉施策。ただ、中小飲食店の経営への影響や実効性を危惧する声もあり、全面施行に向けては課題も残る。

全面施行は平成32年4月1日

 今回成立した受動喫煙防止条例の最大のポイントは飲食店に対する規制内容。国の健康増進法改正案が中小飲食店に配慮して、客席面積100㎡以下の店舗(資本金5千万円以下)を規制の対象外としているのに対して、都条例では従業員を使用している店舗は客席面積に関わらず屋内禁煙としていること。

自民だけが受動喫煙条例に反対した

自民だけが受動喫煙条例に反対した

 従業員を雇っていない場合(同居の親族のみが従業員の場合も含む)は喫煙を選択することができると例外規定は設けているが、「原則屋内禁煙」を基本としており、違反した場合は5万円以下の罰金となる。

 この点について小池知事は、「従業員や子供たちを受動喫煙から守るという『人』に着目した都独自のルール」と説明している。

 また、小中高等学校や保育所、幼稚園について、国の法改正案では敷地内禁煙としつつも屋外に喫煙場所を設置することを認めているが、都条例では屋外喫煙所の設置も認めていない。なお、大学、医療機関、児童福祉施設などは都条例でも屋外喫煙所の設置を認めている。

 また、多数の人が利用する施設(老人福祉施設、運動施設、ホテル、事務所、船舶、鉄道など)は法改正案でも都条例でも喫煙専用室でのみ、喫煙を認めるとしている。

 

自民のみが反対
「従業員有無の確認は困難」

 条例案は厚生委員会で集中審議され、参考人の意見聴取も行われた。東京都医師会の尾﨑治夫会長は「たとえ分煙しても従業員の受動喫煙被害は大きい」として全面禁煙の有効性を強調、一方、そば店を営む東京都麺類生活衛生同業組合の田中秀樹理事長は「ほとんどの飲食店は従業員を雇っており、この条例では従業員を解雇するか全面禁煙の二者択一しかない」と不安を訴えた。

 自民は小規模店舗に屋内喫煙室を設置することは現実的でないとして、100㎡以下の店舗については、全従業員の同意があれば喫煙を可とするよう修正案を提出したが、他会派の賛同は得られなかった。

 都は屋内喫煙所や屋外の公衆喫煙所の設置に対する補助を行うなど、飲食店や区市町村を支援するとしているが、自民は「従業員の有無という基準は抽象的かつ曖昧で確認・検証は極めて困難」と批判している。

 

 

 

 

タグ:受動喫煙防止条例

 

 

 

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