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小池都政が後半戦に2018年08月20日号

国政進出で一時は支持離れも

 

 小池知事が就任して2年経ち、8月2日から1期目の後半に入った。「都政大改革」を旗印に、これまでの慣例や前任の政策を次々に見直す新しい都政運営は多くの都民が評価、高い支持率を維持してきた。就任一年後に行われた都議選では知事を支える地域政党「都民ファーストの会」が圧勝、万全の体制ができあがった。しかし、その勢いを駆って国政進出に出たことが裏目に出て、総選挙で大敗、一気に支持率が低下した。その後、都政に専念し、地道に課題の解決と独自政策の推進に努めたことで、現在は安定感を取り戻したとの声もある。これまでの動きと今後の焦点を探った。

懸案課題決着で安定感取り戻す

自民だけが受動喫煙条例に反対した

 10日の知事定例会見で、就任2年を振り返った感想を聞かれた小池知事は、「あっという間の2年、まだ2年、どちらの思いもある」とした上で、「1年目で、これまでの都政の見直しと新しい種まきを、2年目で水やりをしてきた。大変厳しい部分もあったが、今は順調に進んでいると考えている」と自信を見せた。

 知事の都政運営のスタートはまさにこれまでの都政の見直しからだったと言える。その象徴が豊洲移転の延期だ。延期は知事選の公約でもあったが、延期表明の直後に豊洲の盛り土問題が発覚したことで、都政に対する都民のみならず国民の関心が一気に高まった。小池知事は都政の不正を追及する救世主として、その支持率はさらに高まることに。

 もうひとつが五輪施設経費の見直しで、これが「無駄遣い」の象徴となり、知事の改革姿勢を強調する形となった。

 その後、市場移転問題は過去の責任追及に発展、都議会では百条委が設置され、当時の関係者や石原元知事を証人喚問するなど、約1年にわたり都政の中心課題となり続けた。しかし、この問題が長引くにつれ、いつ移転できるのかと市場関係者の不安も高まったほか、築地に残りたい業者にとっては、知事の「築地は守る、豊洲は生かす」という発言が、あらぬ期待を与えることになった。

 そんな中で行われた昨年7月の都議選では、知事を支える「都民ファーストの会」が圧勝、選挙協力した公明と合わせて都議会過半数を確保し、都政運営での万全の体制が整った。これで小池都政は安泰かと思われたところに落とし穴があった。知事の国政進出である。

 解散総選挙が近いとなり、知事は9月25日、突然会見を開き、国政政党「希望の党」を立ち上げ、自らが党首となると発表、都政に激震が走った。都議会は都民ファ以外の会派が「二足のわらじ」に強く反発、都民ファからも設立メンバーの音喜多駿、上田令子の2人が離党する事態となった。

 10月22日の総選挙は知事の「排除発言」が大きな批判を浴び惨敗、イメージの急落につながった。都政を混乱させたとして、公明は「知事与党からの離脱」を表明、与党過半数体制は崩れ、都政運営に暗雲が立ち込める結果となった。

 

都政に専念し公明とも連携回復

 知事は12月の第4回定例都議会で国政進出が都政を混乱させたとして正式に陳謝、今後は都政に専念することを約束した。

 距離を置く形となった公明との間では、予算面で私立高校の授業料実質無償化を実現するなど、同党の提案を多く受け入れることで連携関係を取り戻している。

 さらに、市場移転問題ではまさに任期折り返しの7月31日に「安全宣言」を行い、一定の決着をみたことで、今後は前向きの施策推進に専念できる環境が整った。

 一方、知事との対決姿勢を続ける自民は、今年度予算案に41年ぶりに反対、目玉施策だった受動喫煙防止条例でも反対、対立は今後も続きそうだ。

 批判が出ていた「顧問政治」の廃止、副知事や局長への女性登用など人事面でも内部登用を打ち出しており、一時は信頼を得られていないとされた都庁職員との関係修復にも努めている。

 いずれにしろ、残り2年でどれだけの成果を挙げられるかが試されることになる。

 

 

 

 

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