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社会に貢献するために 第6回 日清食品グループ2013年10月20日号

 
被災地の子どもたちに夢を与える「東北の未来へRUNRUN!プロジェクト」
日清食品グループ
日清食品グループ

 創業50周年の節目にあたる2008年より、日清食品グループでは、50年間で100の社会貢献を行う「百福士プロジェクト」を始動。これまでの5年間で、同社の特徴を生かしたユニークな10のプロジェクトを展開してきた。そして2013年9月より、日清食品グループ陸上競技部が主体となって、被災地にむけての新たなプロジェクトがスタートした。

(取材/種藤 潤)

選手が“一日転校生”となり被災地の子どもと学ぶ

 2013年9月20日。岩手県宮古市にある磯鶏(そけい)小学校の教室には、子どもたちと一緒になってクイズについて考える、日清食品グループ陸上競技部所属の選手2人の姿があった。

 「あえて選手が子どもたちに混じり、一緒に考え、学ぶスタイルにしました。おかげでスムーズに子どもたちと選手は仲良くなれたようです」

L「百福士プロジェクト」を担当する日清食品ホールディングス株式会社広報部CSR推進室係長の和田亮輔さん

「百福士プロジェクト」を担当する日清食品ホールディングス株式会社広報部CSR推進室係長の和田亮輔さん

 その教室でクイズを出題する役割を担っていた日清食品ホールディングス株式会社広報部CSR推進室係長の和田亮輔さんは、その時の教室の子どもたちに思いを馳せながら、顔をほころばせて語る。

 同社のCSR事業「百福士プロジェクト」第11弾となる「東北の未来へ RUN RUN! プロジェクト」は、被災地の子どもたちに夢や希望を持つ大切さや、あきらめない心、そして走ることの楽しさを伝え、明日への活力につなげてもらうことを目的にした活動だ。この日行われた内容は、大きく分けて2つ。まず、冒頭の子どもたちが教室で行った「クリエイティブシンキング教室」。同グループの創業者である安藤百福の「クリエイティブシンキング(創造的思考)」について、クイズやゲームを通して選手と一緒に学んでいく内容だ。

 「創業者の安藤がどんな思考で『チキンラーメン』を発明したかを、6つのキーワードで考え、形にしていきます。そのなかで発想すること、あきらめないことが大切であることを、体験的に学んでいくのです」

 

走る喜びを感じることが子どもの大きなきっかけに

2013年9月20日に行われた「東北の未来へRUNRUN!プロジェクト」の「クリエイティブシンキング教室」の様子

2013年9月20日に行われた「東北の未来へRUNRUN!プロジェクト」の「クリエイティブシンキング教室」の様子

2013年9月20日に行われた「東北の未来へRUNRUN!プロジェクト」の「クリエイティブシンキング教室」の様子

 そしてもうひとつは、陸上競技部の選手によるランニング教室。あらゆるスポーツに通じる「正しい走り方」の指導から、ウォーミングアップ、そして実践形式のリレーまで、2人の選手と触れ合いながら走る喜びや達成感を学ぶ。

 「教室の最後に、数名の子どもに走ってもらったんですが、これまでの自己ベストを出していました。選手たちの指導で明らかに速くなったんですね。子どもたちは、適切な走り方やストレッチの方法を知れば、すぐに記録が伸びると選手たちは言います。そしてそういう経験は、子どもたちにとって大きなきっかけになるはずです」

 教室では、選手が子どもたちと校庭を3周全力で競争する企画も。当然ながら子どもたちは選手に大きく引き離されるが、最後まであきらめずに走り続ける子どももいて、それにほかの子どもが自然と声援を送り始めたという。

 「最後まで走った子は、あきらめない気持ち、そして最後まで走り切った達成感が残る。そしてほかの子たちも、そういう人を応援しようという気持ちが自然と湧きあがることが体験的に理解できた。忘れがたい瞬間だったと思います」

 実際、終了後の子どもたちからは、「夢を持ってあきらめずにがんばっていきたい」という感想も聞かれたという。

 

日清食品らしいやり方で子どもたちの活力につなげる

 今回のプロジェクトに通じる「あきらめない心を持つ」こと—それはまさに、これから復興にむけ多くの困難を乗り越えなければならない、被災地の子どもたちに対しての同社からのメッセージである。

同プロジェクトの後半に行われた「ランニング教室」。アスリートと走れるということで、子どもたちの表情も明るい

同プロジェクトの後半に行われた「ランニング教室」。アスリートと走れるということで、子どもたちの表情も明るい

 実はこのプロジェクトは、陸上競技部の選手からの発案だという。2012年5月から2013年3月まで実施した「百福士プロジェクト」第8弾「東北の未来を発明しよう プロジェクト」の際、参加していた東北の子どもたちの多くが、不安やストレスを感じて生活していることがわかり、それに対して何かできないかと、陸上競技部内で気運が盛り上がったのだ。

 「陸上競技部の選手は、過去に主将を経験している人間が大半で、みな正義感が強い。なので被災した子どもたちを見て、放っておけなかったのでしょう」

 創業者の思考から、走ることから、あきらめない心、達成する喜びを学ぶ。まさに同社にしかできない、被災地支援のCSR活動と言えよう。

 過去の「百福士プロジェクト」を見てみても、同社らしさが色濃く反映されている、ユニークなプロジェクトがずらりと並ぶ。

 「弊社のモットーは“ほかでやっていないことをやる”。すなわち我々の独自性を活かした活動をすること。それはCSRに限らず、社員全員が常に考えていることです」

 言われてみれば当たり前のことだが、それができている企業が果たしてどのくらいあるか—改めてCSR活動のあるべき姿を、教えられたように感じた。

 

 

 

 

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