HOME » サイトマップ » 局長に聞く » 局長に聞く59 東京都建設局長

局長に聞く59 東京都建設局長2013年10月20日号

 
東京の都市基盤の足腰を強化
東京都建設局長 横溝良一氏氏
東京都建設局長 横溝良一氏

 東京都の各局が行っている事業について、局長自らが紹介する「局長に聞く」。59回目の今回は建設局長の横溝良一氏。「高度防災都市づくり」「戦略的なメンテナンス」「インフラの多機能利用」の3つを通じて都民生活の安全を守る考えだ。

(聞き手/平田 邦彦)

「平成の広小路」で延焼を遮断

—局長に就任しての意気込みを聞かせてください。

 就任した際に職員に伝えたことが3点あります。「高度防災都市づくり」「戦略的なメンテナンス」「インフラの多機能利用」の取組です。

 「高度防災都市づくり」は、東日本大震災を受けて、建設局では、東部低地帯の河川施設の耐震・耐水対策について新しい計画を昨年12月にまとめました。

 都内には河川の水門や排水機場等が22箇所あるのですが、耐震上の問題があることがわかりました。そこで、最大級の地震に対してもしっかりと対策を講じ、東部低地帯の方々の安全を守ることとしました。

 東部低地帯には約300万人の都民が暮らしています。仮に堤防が壊れたら甚大な被害が生じますので、水門や堤防の耐震化の推進が急務です。

 また、豪雨対策も重要です。これまでは1時間で50ミリの降雨に対応可能な整備をしていましたが、近年のゲリラ豪雨は1時間で100ミリを超えるような激しいものです。今までのやり方では間に合わないということで、昨年、降雨特性の違いを踏まえ、区部では1時間に75ミリ、多摩部では65ミリに対応した河川整備をすることにしました。50ミリを超える部分の対策は調節池を造っていきます。

 特に、ゲリラ豪雨対策では、広域調節池の整備が効果的です。

 建設中の白子川調節池は白子川の水は勿論、石神井川の水も取ることができるようにします。流域を越えて相互に活用できる広域調節池等を整備することで、局地的かつ短時間の100ミリの集中豪雨にも対応が可能となります。

—高度防災都市づくりにおける道路の役割は。

 震災における道路の延焼を遮断する効果を検討しました。

 阪神淡路大震災では広範囲の市街地が焼失しましたが、道路幅が12メートル以上であった場合、延焼は隣のブロックに広がりませんでした。

 そこで、木造住宅密集地域にある道路、総延長約26キロを特定整備路線に指定し、延焼を遮断する取組を始めました。

 江戸時代、江戸は何度か大火に見舞われていますが、1657年の明暦の大火、いわゆる振袖火事の後に広小路を整備しています。今でも「上野広小路」や「大崎広小路」として地名に残っていますが、元は5メートルほどしかなかった道路を15メートルにまで広げ火災が広がるのを防いだのです。今回の特定整備路線は「平成の広小路」ですね。

 こうした「高度防災都市づくり」の取組は、五輪のことも念頭に入れ、都民の安全・安心を守ることを第一に考えています。2020年に東京を訪れる外国人の方々が災害に不安を持たない街にしたいですね。

 

道路や河川を楽しめる空間に

—戦略的なメンテナンスの取組は。

 まず、メンテナンスがしやすい施設整備です。我々が管理する道路や橋には点検しにくい箇所もありますが、検査路や梯子などを設置するだけで点検しやすくなります。費用をかけずに点検しやすい環境をつくります。

 次に、予防保全型管理の推進です。施設の状態を、定期点検などで的確に把握し、計画的に補修、補強することで寿命を延ばし、更新事業費を平準化します。既に橋梁では長寿命化事業に着手し、トンネルでは計画策定に向けた詳細健全度調査を開始しています。

 3つ目は、戦略的な再構築です。新宿や池袋などのターミナル駅周辺では、インフラの維持管理に運営や経営の戦略が必要です。駅周辺の違法駐車をなくすためにも、積極的に街づくりに関わり、利用しやすく快適な都市空間に再構築することが重要と考えます。

—インフラの多機能利用とは。

 外国の街並みでは道路にオープンカフェがあるなど、公共空間が楽しみに使われています。東京でも、単に交通のための道路ではなく、河川も水害を恐れるだけではなく、そこで人々が楽しく過ごせることを目指したいと考えています。そうした整備は五輪で来訪される外国からのお客様へのおもてなしにもつながるでしょう。

 欧州を視察して感じたことですが、例えばドイツではアウトバーンが各都市を結びつけることで、都市間の時間距離を短縮し、市民の活動を量質共に広げています。つまり、市民が楽しむために道路が使われているのです。道路についての考えが感性の部分で日本と違うことを感じましたね。

—五輪開催に向けた取組と、住民生活のための取組の整合性はどうですか。

 IOCに提出した申請ファイルには、環状第2号線や首都高中央環状品川線など、2020年までの完成を目標としているインフラが記載されています。また、申請ファイルには掲載されていませんが、外環道も2020年までに完成させることを目標にしています。これらのインフラは、住民の生活を支える大切な都市基盤でもありますし、また前に述べた防災の取組も、第一には住民生活の安全安心を守る取組です。

 これまで取り組んできたこと、つまり東京の都市基盤の足腰を強くすることを着実に進めることが五輪のためにもなると考えます。

 

  
 

 

 

タグ:東京都 建設局 高度防災都市

 

 

 

定期購読のご案内

NEWS TOKYOでは、あなたの街のイベントや情報を募集しております。お気軽に編集部宛リリースをお送りください。皆様からの情報をお待ちしております。

都政新聞株式会社 編集室
東京都新宿区早稲田鶴巻町308-3-101
TEL 03-5155-9215  FAX 03-5155-9217
一般社団法人日本地方新聞協会正会員