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最終回 にっぽん伝統野菜フェスタ2014年03月20日号

取材/細川奈津美
取材協力/江戸東京・伝統野菜研究会代表 大竹道茂
大竹道茂の江戸東京野菜通信 http://edoyasai.sblo.jp/
全国の伝統野菜が一堂に集結したにっぽん伝統野菜フェスタ

セミナーで江戸東京の伝統野菜について講演した大竹さん
まさか、全国にこんなに多くの伝統野菜があったとは―。今まで江戸東京の伝統野菜を取材し、ある程度会得したと思われた「伝統野菜」への認識が覆される一日となった。
取材したのは3月10日に有楽町の東京交通会館で開催された「にっぽん伝統野菜フェスタ」。これは、農林水産省が行う「地域に埋もれた伝統野菜・食品の普及等推進事業」の一環で、株式会社ぐるなびが同事業を受託し実施した。会場には、なにわの伝統野菜「泉州黄玉葱(せんしゅうきたまねぎ)」、飛騨高山の伝統野菜「飛田赤かぶ」、長野の伝統野菜「戸隠大根」を使った漬物など、およそ100種類の伝統野菜が集結。生産者とスーパーやレストランなどのバイヤーが一堂に会し、その場で商談会も開かれた。

野菜を見ながら生産者とバイヤーが直接商談することができた
参加者の一人、練馬区で伝統野菜を栽培する渡戸秀行さんもスーパーのバイヤーや都内の居酒屋など約5件と商談をしたという。「直接バイヤーと話をすることで、良い経験になった。消費者がどのようなものを求めているかを知るためにも農家はこういう機会を持つべき」と話していた。
当日は、本連載でも協力いただいている江戸東京・伝統野菜研究会の大竹道茂代表が江戸東京の伝統野菜を例に、伝統野菜復活までの経緯、交配種との明確な区分などについて講演。特許庁からは伝統野菜を知的財産として活用するための基礎知識の解説も行われた。また、江戸東京野菜コンシェルジュの上原恭子さんによるワークショップや「HATAKE AOYAMA」の神保佳永シェフが伝統野菜を使って作ったスープとデザートもふるまわれた。

ニンジンとネギの食べ比べが行われた伝統野菜ワークショップ
和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的にもますます注目されていくであろう日本食。各地域に埋もれている伝統野菜が、このイベントをきっかけに国内だけでなく世界に向けて発信される日が来ることを願ってやまない。

伝統野菜の直売会も大盛況
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