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局長に聞く64 病院経営本部長2014年03月20日号

 
行政的医療の提供にまい進
病院経営本部長 醍醐 勇司氏氏

病院経営本部長 醍醐 勇司氏

 東京都の各局が行っている事業のポイントを紹介してもらう「局長に聞く」。64回目の今回は病院経営本部長の醍醐勇司氏。都がこれまで推し進めてきた都立病院改革も軌道に乗り、「今後は医療の質の向上が重要」と語る。医師の確保、災害医療の取り組み、平成26年度に設置される患者支援センターなどについてお話を伺った。

(聞き手/平田 邦彦)

小児3病院統合でプラスの効果

—約10年ぶりに本部長として病院経営本部に戻られたということですが古巣の感想は。

 病院経営本部が平成14年4月に、旧衛生局の1部署から局として立ち上がったときに経営企画課長(現在の総務課長)をしていました。久しぶりに戻ってきたなというのが正直な気持ちですね。

 10年前は石原都政です。都立病院改革に向け、当時16あった都立病院の再編整備に関するプランをまとめている最中でした。3つの小児病院を移転統合し府中に小児総合病院を整備すること、都立病院を保健医療公社に移管し地域に根差した地域医療を提供すること、こういった計画をまとめていました。

 都立病院改革は大きな議論を呼びましたが、再編整備はひと段落しましたね。十年一昔という感を強くしています。ようやく落ち着いてきたと思います。本部長として戻った際、職員に「今までは再編整備がメインだったが、これからは求められる医療を、整備された医療機能に基づいて都民に着実に提供すべきだ」と言いました。これからは質の向上が重要だということです。

—患者のニーズに応えるために医師の質を高めることが重要ですね。

 医師の質を高めるためには様々な症例を扱うことも重要です。現在、医療機関は専門特化されていますから、その中でどれだけ症例を扱えるかということですね。都立病院では、駒込病院ががんと感染症で実績があります。

 都立病院改革で都内の3小児病院(八王子、清瀬、梅ケ丘)を統廃合し、府中に小児総合医療センターを整備しました。それまでの3小児病院では医者のなり手がなく、来たとしてもかなり過重な労働状態で、負のスパイラルとなってしまっていました。それが、興味深いことに平成22年に最新設備が揃い、大規模な多摩・小児総合医療センターが開設されると、小児科医師が手を上げて来てくれたのです。プラスの循環が出来上がり、色々な症例を診ることにつながります。

 「八王子小児病院の100床を残したい」という声がありました。都はこの頃から周産期医療はやっていたので、1千グラムを切るような新生児を助けることは出来たのです。しかしそれは「とりあえず助けることができる」ということであり、新生児が成長してからも例えば目や耳の機能など細かくフォローする必要がありました。生まれたときだけでなくその後のことも考えて、トータルに診ることのできる医療機関が必要だということを我々は訴えてきました。

 小児の医師は様々な診療を得意としていますから、そういう方々が集まったことでプラスになりました。小児病院の統廃合は成功したと思います。

 

発災時の患者受け入れが重要

—医師不足の解消に向けた取り組みは。

 「東京医師アカデミー」という制度があります。都立8病院と保健医療公社の6病院、トータル14病院で研修医を育成しようというものです。

 ストレートに18歳で医学部に入って6年間、医師免許取得後に義務付けられているジュニアレジデントが2年、シニアレジデントが3、4年、30歳くらいでやっとというところですね。きちんとした指導医のもとで臨床を積み重ねることが重要ですので、「東京医師アカデミー」のシニアレジデントでは、指導医を付けています。

 現在、医師アカデミー生は300名以上います。基本的に診療科は決めていますが、他の病院に行って研修することもできます。そしてER・救命救急を必修としているコースもあり、ERに派遣して業務に従事させています。非常に実践的な研修の場だと思います。

 都立病院で約5千床、保健医療公社病院で2千200床ほどありますから、両方合わせると7千200床となります。これだけの規模はあまりないと思います。

—災害医療の取り組みについては。

 東日本大震災から3年を迎えました。私は以前、危機管理監をやっていたこともあり、首都直下地震の危険性について意識しています。木造密集地域を抱える東京は地震には脆弱ですので、建物の崩壊や火災への対応が急務です。

 発災後72時間でどれだけ人を助けることができるか、これは警察や消防、自衛隊の他に、医療関係者にも課せられた課題です。派遣救護に向かう医療チーム、病院で受け入れるチーム、この2つをしっかり機能させることが重要です。

 救命救急の医療チームを作ることに加え、各都立病院がいかに発災時に患者を受け入れられるかに尽きます。多摩総合医療センターは建物を免震構造としていますが、基幹災害拠点病院の広尾病院は老朽化が進んでおり対策を検討します。

—患者支援センターの設置を行うとのことですが、その内容は。

 平成26年度に、府中にある多摩総合医療センターをモデル病院として、患者や家族の相談を受け付ける、患者支援センターを開設します。入転院やその後のフォローも含め、ワンストップで対応しようというものです。その中で、在宅療養への移行も支援していけたらと思います。

 

  
 

 

 

タグ:東京都病院経営本部 都立病院 小児総合医療センター 東京医師アカデミー

 

 

 

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