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NIPPON★世界一 The67th2014年06月20日号

 

●東京都環境局 都市エネルギー部
●URL:http://www.tokyosolar.jp

「東京ソーラー屋根台帳」の運営

 日本にある世界トップクラスの技術・技能−。それを生み出すまでには、果たしてどんな苦心があったのだろうか。クリーンエネルギーのひとつとして、今や日本でも定着しつつあるソーラーエネルギーによる発電技術。自宅で導入する際に問題になるのが、日当りなど設置に適しているかどうかだ。それが地図上で一目でわかるサービスが、2014年3月より全国に先駆けて、東京都主導でスタートした。

(取材/種藤 潤)

 


 自宅がソーラーエネルギー導入に適しているか一目でわかるサービス――それが「TOKYO太陽エネルギーポータルサイト(http://www.tokyosolar.jp)」にある『東京ソーラー屋根台帳/ポテンシャルマップ』だ。まず「住所」「フリーワード」「(東京都の)地図」3つの方法から探したい対象エリアを検索。すると、赤と黄に色分けされた建物の屋根が示されたエリアの地図(航空写真と切り替え可)が表示される。 赤はそのシステムが設置に適した場所、黄は屋根面により日当りがいい場合は、設置に適している可能性がある場所であることを示している。そして「太陽光発電」「太陽熱利用」2つのシステムに対応したデータを表示することが可能だ。

 屋根をクリックすると、その屋根の「年間予測日射量」「太陽光発電または太陽熱利用のポテンシャル(設置可能なシステム容量や予測発電量)」などが表示される仕組みになっている。

 「具体的にどのぐらいの規模のシステムが設置できるかがわかりますし、年間の予測発電量もわかるので、ご家庭での電力使用量をどの程度まかなえるかが試算できます。ぜひ一度ご自宅の屋根をクリックし、ソーラーエネルギーを取り入れた生活をイメージしてみてほしいと思います」(環境局都市エネルギー部地域エネルギー推進課長弦巻俊一さん)

 

屋根が密集する東京に
ソーラーエネルギーを

TOKYO太陽エネルギーポータルサイト画面

「TOKYO太陽エネルギーポータルサイト(http://www.tokyosolar.jp)」の「ポテンシャルマップ」を表示した際の画面。地図写真と航空写真表示から選択でき、紙面左上写真は地図、上写真は航空写真(写真はすべて東京都環境局提供)

 メガソーラーなどに象徴されるように、ソーラーエネルギーの利用には、日陰が少なく日当りが良く、広大な敷地を有する郊外のほうが設置に適していそうだが、住宅が密集する東京も考え方によっては、ソーラーエネルギー活用に適した場所といえるそうだ。

 「実際にこのマップを見ていただければわかりますが、都内では多くの建物が集積し、屋根にも可能性があることがわかります。その屋根を活用し、ソーラーエネルギーを生み出すことで、各家庭の電力購入の削減につなげることができます」(弦巻さん)

 ただ、住宅ごとに日当りは異なり、屋根の形状もさまざま。そうした違いを航空測量データを用いて3次元で解析。建物ごとに予測される日射量を分析し、ソーラーエネルギー設置に適した屋根かどうかをまとめたのが、この『東京ソーラー屋根台帳/ポテンシャルマップ』なのだ。

 

海外の実例にならい
補助金から情報の支援へ

東京ソーラー屋根台帳

地図上には設置の適合度を赤と黄で色分けして表示され、クリックすると上のような画面に。日当りの良さ、ポテンシャル(設置可能システム容量と年間予測発電量)などが表示される

 東京都は2009年より4年間、ソーラーエネルギー導入に際し、機器を購入する費用の補助金を出す形で、都民への普及を後押ししてきた。しかし機器の価格が下落したこと、さらには経済産業省の「固定価格買取制度」による設置後の経済的メリットがあることを考慮し、金銭面以外での方法による普及促進ができないかを模索。その結果、今回の「ポテンシャルマップ」作成へとつながった。

 「ドイツなどの海外ではこうした屋根台帳の実例はありましたので、それらを参考に、国内初の試みとしてスタートさせました。エリアごとに適地情報を提供している地域はありますが、個別の屋根まで細かくデータ化したものは、東京都だけです」(弦巻さん)

 サイトがオープンして3ヶ月。各所からおおむね好意的な反応が来ていると、弦巻さんは話す。

 「マスコミを中心に、面白い取り組みだと取り上げていただいています。また、実際に閲覧された方から疑問点などの問い合わせも来ており、都民の方々の関心の高さも感じられます」

 

屋根の能力を「知る」ことで導入へとつなげる

 弦巻さんは今後、都内でもソーラーエネルギーは着実に浸透していくと予想。その中核的なツールとしてこの「ポテンシャルマップ」がより有効に活用されるよう、市区町村など行政単位の地域政策につなげるなど、さらなる普及に努めたいと語る。

 「今やソーラーエネルギー自体を知らない人はいないと思います。ただ一方で、実際に自宅で取り入れるとなると、初期費用やメリット、何より自宅が設置に適しているのかどうかは、みなさん知らないと思います。ピンと来ないかもしれませんが、サイトを見れば都心でも適した住宅は少なからず存在することがわかります。ぜひご自宅の可能性を知ることからはじめてほしいです」

 百聞は一見に如かず。自宅やオフィスがソーラーエネルギーに適しているか、サイトでチェックしてみては?

 

  
 

 

 

タグ:東京都環境局 都市エネルギー部 TOKYOソーラーエネルギーポータルサイト 屋根台帳

 

 

 

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